第1部 焼結のための 粒子最密充填技術と粒子形状・表面状態の制御
(2019年11月14日 10:00〜12:30)
粒子密充填はセラミックス、金属成型体、プラスチックス用フィラー、電子部品、電池、錠剤、化粧品、触媒など様々な製品の製造、設計に関係する重要操作である。粒子充填層は多数の粒子から構成されているため、構成粒子の物性が充填性に大きな影響を与える。
ここでは粉体や粒子を密充填するためには、粒子径、粒度分布、粒子形状、粒子の表面状態などを、どのように制御すれば良いのかを実験データ、シミュレーション結果や計算モデルなどを使って分かりやすく解説する。
- 粒子充填と粒子物性
- 粉体や微粒子の特徴
- 充填状態の定量的表現法
- 充填に関係する粒子物性
- 充填性に対する粒子径の影響
- 粒子間付着力への粒子径の影響
- 限界粒子径とRollerの式
- 充填性に対する粒度分布の影響
- 大小2成分充填時の空間率を表すFurnasの式
- 粒度分布から空間率を推定する鈴木のモデル式
- 最密充填を得るためにはどのような粒度分布が良いのか?
- 充填性、流動性に対する粒子形状の影響
- 粒子形状の定量的表現法
- 粉砕方法による粒子形状の違い
- 粉体層剪断試験と流動性指数
- 粒子形状と粉体の充填性、流動性との関係
- 充填性、流動性に対する表面状態の影響
- メカノケミカル反応による粒子表面の疎水化
- 充填性、流動性に及ぼす粒子表面疎水化の影響
- X線マイクロCTスキャン装置を用いた粉体充填状態の観察
- 充填層内部の空間率分布
- 充填方法の違いの影響
- 壁面の影響
- 粉粒体圧縮成型時の充填率分布変化
第2部 金属やセラミックスの焼結における基礎とその応用
(2019年11月14日 13:15〜17:00)
金属やセラミックスの製造方法として、焼結は古くから利用されている。昨今では、自動車産業などに燒結金属やセラミックスの利用拡大がなされている。加えて、セラミックスや新素材の中には粉末を焼結する以外ではラボレベルでもバルク体を得ることが難しい材料も多く、材料開発の意味でも重要な方法である。しかしながら、焼結は高度なノウハウを必要とする技術であるがゆえ、その背景にある基礎的な学問が重要視されていないところもある。 本セミナーでは、金属やセラミックスの焼結に関する基本的な考え方とその基礎を中心に解説するとともに、焼結の周辺技術や最近のトピックスについて述べる。
- 焼結の基礎
- 初期焼結
- 中・終期焼結
- 液相焼結
- 拡散現象の基礎
- 拡散機構
- フィックの法則
- セラミックスの欠陥化学
- 材料欠陥の熱力学
- 欠陥の酸素分圧依存性: Kroger – Vink図
- 焼結の前工程
- 粉末の準備 粉砕
- 成形
- 種々の焼結方法
- 大気焼結
- 真空焼結,雰囲気焼結
- 加圧焼結
- 焼結体の評価方法
- 密度測定
- 粒径測定
- 組織観察
- 最近の話題 (事例紹介) パルス通電焼結
- まとめ