ポリマーアロイの設計、開発、制御 (2日間)

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会場 開催

本セミナーは、ポリマーアロイのセミナーを2テーマセットにしたコースです。
セット受講で特別割引にてご受講いただけます。
通常受講料 : 89,250円 → 割引受講料 63,000円

日時

開催予定

プログラム

単一素材では実現が難しい機能性付与するためにポリマーアロイが注目を集めています。高分子の組み合わせ、混ぜ方などによっても、特性が全く異なる製品となるため、目的にあった物性、特性を得るためには多方面からのアプローチが必要となってきます。  本セミナーは、ポリマーアロイのスキルアップを図っていただけるよう、必須知識から、実用化・技術動向までを網羅したく企画いたしました。 基礎、混合・分散、相溶化剤、特性制御、高機能化、構造解析・特性評価と盛りだくさんの内容です。お役に立つ情報、ヒント、考え方がたくさんあると思われます。コース別にご参加いただくことも可能です。

2011年9月26日「ポリマーアロイの基礎と必須知識」

高分子材料をアロイ化する目的は、物性の制御にある。
本講演では、相溶性 (misciblility) や混和性 (compatibility) の基礎から、モルフォロジー制御の方法論、モルフォロジーと物性の関係等、アロイ材料の物性制御を行うために必須となる理論的な背景について、具体例を挙げながら解説する。

  1. ポリマーアロイの基礎
    1. 序論
      1. ポリマーアロイの定義と分類
      2. 相溶性と相容性
      3. ポリマーアロイの歴史
    2. 相溶―相分離の熱力学
      1. Flory-Huggins理論
      2. 混合自由エネルギーと相図の関係は?
      3. 準安定と不安定領域
    3. 相互作用パラメーターと溶解度パラメーターの関係は?
    4. Flory-Huggins理論の限界
    5. 様々なポリマーブレンド系の相挙動
    6. 相溶化のために
    7. 相互作用パラメーターの決め方
    8. ランダム共重合体の相溶性
  2. ポリマーアロイの構造
    1. ポリマーアロイの構造形成と制御
      1. 相分離の動力学
      2. 変調構造
      3. スピノーダル分解の応用
    2. ポリマーブレンドの界面
      1. 界面厚と界面張力
      2. 種々の高分子対の界面張力
    3. 流動場による構造制御
      1. 流動場によるドロップレットの微分散化
      2. 流動誘起相溶化
      3. 流動誘起相分離
    4. 三相共存系の構造制御
      1. ぬれと拡張係数
    5. ブロック共重合体のミクロ相分離構造
    6. 小角X線散乱によるミクロ相分離構造解析
    7. ABC星形ブロック共重合体のモルフォロジー
    8. 相容化剤 (Compatibilizer)
      1. 相容化剤の種類と分類
      2. 相容化剤の添加効果
    9. リアクティブブレンディング
      1. 利用される種々の化学反応
      2. 相容化機構
      3. 耐衝撃性ポリスチレン (HIPS) の構造とその製法
      4. リアクティブブレンディングによる高度なモルフォロジー制御
  3. ポリマーアロイの物性
    1. 相溶系の物性
      1. ガラス転移温度
      2. 弾性率 (レオロジー)
    2. 相分離系の物性
      1. 力学モデルによる簡単な理解
      2. 力学モデルとモルフォロジーの関係
    3. 相界面が物性に及ぼす影響
      1. 相容化剤であるブロック共重合体の構造
      2. 破壊靱性値
    4. 相構造と耐衝撃性
      1. 固体高分子の変形:クレーズとせん断降伏
      2. ゴム分散系のクレーズ変形
      3. ゴム分散系のせん断降伏
  4. 終りに

2011年9月27日「ポリマーアロイの設計、開発、構造制御技術」

第1部 ポリマーアロイ開発のための混合・分散技術 (2011年9月27日 10:20-11:50)

 現在、ポリマーアロイの多くが、複合化したい既存のプラスチック同士を加熱により可塑化・溶融し、さらに均一に混合・分散させる操作、すなわち溶融混錬プロセスで製造されています。  ここでは、二軸押出機を用いたポリマーアロイの開発技術を中心に、リアクティブプロセシングも含め、その詳細を紹介します。

  1. ポリマーアロイの定義と分類
    1. ポリマーアロイの位置づけ
    2. ポリマーアロイの分類
    3. 相溶系と非相溶系
    4. ミクロ相分離 (相容) 系とマクロ相分離 (非相容) 系
  2. ポリマーアロイの歴史と製造法
    1. 重合プロセス
    2. 溶融混錬プロセス
  3. 溶融混錬技術と界面制御 (相容化) 技術
    1. 混合操作と分散操作
    2. 界面制御と相容化剤
  4. 相容化剤
    1. 反応性相容化剤と非反応性相容化剤
    2. リアクティブプロセシング
第2部 ポリマーアロイにおける相溶化剤の技術動向 (仮) (2011年9月27日 12:30-13:50)
第3部 ポリマーアロイによる樹脂の特性制御、高機能化 (仮) (2011年9月27日 14:00~15:30)
第4部 散乱法によるポリマーアロイの構造解析と特性評価 (2011年9月27日 15:40~17:00)

 相分離構造解析に一般的な手法としての顕微鏡法 (実空間) 、散乱法 (逆空間) などの実例を交えて紹介する。これらの観察から得られる情報の相関についての基礎知見を得る。  相分離構造観察における装置・手法、試料作成時における構造形成の観察などの例をまじえて紹介する。

  1. ポリマーアロイとブレンドの構造解析
    1. 顕微鏡
      • 透過過型電子顕微鏡
      • 原子間力顕微鏡
    2. 散乱法
      • 光散乱
      • X線散乱
      • 中性子散乱
    3. 熱測定
    4. その他
  2. ポリマーアロイとブレンドの構造観察と基礎物性評価
    1. ブロック共重合体の相分離構造の観察
      1. X線散乱法、電子顕微鏡法
      2. DSC
      3. 電子スピン共鳴法 (スピンラベル法)
      4. 形態複屈折
    2. 放射光施設を用いた構造形成過程の観察
      1. 構造形成のその場観察
        • X線散乱
        • 中性子散乱
        • IR
      2. スピノーダル分解による構造
      3. 透過型電子顕微鏡
  3. 微小角入射X線散乱法による超薄膜中の構造
    1. 微小角入射X線散乱
    2. 側鎖液晶性高分子薄膜の内部構造と表面特性
    3. ブロック共重合体のミクロ相分離構造の配向挙動観察

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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