本セミナーでは、曇りにくいガラスの開発、車載センサへの防汚技術、自動車における防曇技術・防汚技術についてウィンドシールド、車載センサへの応用事例を交えて詳解いたします。
(2019年10月30日 10:00〜11:30)
透明基材表面に微小水滴が付着すると“曇化 (曇り) ”が発生する。曇化を防止する防曇処理は、安心・安全、快適性、機器の信頼性や効率化の観点から、我々の日常生活において極めて重要な表面処理の一つである。本講演では、曇化をぬれの観点から考え、防曇表面をいかにデザインするか? 親水性、撥水性のいずれが好ましいのか?これまでの研究事例を紹介しながら分かりやすく解説する。
(2019年10月30日 12:10〜13:40)
今後、自動車の所有・運転形式が変化する可能性が予測されたり、自動運転システムの正常な可動を維持するために、センサー受発信基体表面の正常化維持のための機能技術の可能性を提案する。
(2019年10月30日 13:50〜15:20)
AGCは、自動車のウィンドシールド用途の防曇コーティング (eXeview) を2019年に世界で初めて実用化しました。コーティングの主材料は樹脂であり、空気中の水分を吸収することで防曇機能を発現します。吸水性能と耐久性を高いレベルで両立することは非常に難しいですが、AGC独自の材料技術によって車内の過酷な環境にも耐え得る品質を達成しました。本講座では、自動車用途における防曇機能のニーズや商品価値、コーティングの設計思想と要素技術について解説します。
(2019年10月30日 15:30〜17:00)
バイオミメティクス (生体模倣) とは、生物の構造や機能など生物が持つ優れた機能を模倣し工学のレベルでの応用、展開を目的としている分野である。バイオミメティクスの代表的な例としてはハスの葉が有名である。ハスの葉の表面には微細な凹凸構造があり、接触面に多くの空気の層をつくることで物質の付着を防止している。この構造を模倣し、環境負荷が問題になっているフッ素系の疎水性物質を過剰に使用せずに、強力に液体をはじく防汚性超撥水コーティングが開発されている。生物の機能から着想したモノ作りは、これからの省エネ社会の材料開発に新しい潮流を生み出すことが期待できる。 本セミナーでは、バイオミメティクスの中でも主に表面・界面の機能化にかかわる内容に焦点をあてる。まずバイオミメティクスの概念や機能発現の仕組み、液体と表面との関係等を理解し、実際のバイオミメティック表面の制御をどのように行っていくか、超撥水・超親水化技術などの様々な展開例をふまえ、その解析から応用までをステップを追って学習する。最後には、バイオミメティクスで実現可能な未来材料開発に向けて、その着想に役立つ情報についても言及していく。