日本は、食品衛生法改正により、遅まきながら2020年6月に樹脂のポジティブリスト (PL) を施行予定である。漸く業界自主基準から国の制度へ移管するが、樹脂メーカーの説明は努力義務とされたこと、色材は着色料と同じ扱いとなること等、曖昧な点が多いのが現状である。又、乳等省令は告示370号へ統合見込みあるが、レトルト、電子レンジ想定の溶出試験条件の改正等の審議は時期未定であり、国際的には大きく後れを取っている。EUはプラスチック規則が略完成し、今や世界標準になったと言える。米国は独自の製品登録制度が定着し、中国はEU類似の国家標準へ転換中である。韓国、台湾、加はPL審議中、ASEANは共同基準化を検討中である。
企業としては、国のPL制度を充分に理解して、PL適合説明と届出、輸入品の証明等を確実に進める必要がある。本講では、日本及び世界の法規制の最新動向と展望、及び企業の対応と留意点に関し解説する。
- 初めに – 包装を取り巻く環境 -
- 日本の食品包装の法規制類
- 食品包装材料の種類と使用割合
- 食品衛生法:規制対象と規格、及び現状の課題
- 業界自主基準:樹脂・添加剤のPL、印刷インキ・接着剤のNL
- 欧州連合 (EU) の規制
- 食品接触物質とプラスチックの規則の概要
- 印刷インキ、接着剤、コーティング剤の規制検討状況
- 米国の規制
- 連邦規則集・接着剤のPL・製品別登録制度の定着
- 食品安全近代化法
- 日欧米の現状比較と日本の課題、及び食品衛生法改審議の進捗状況
- 乳等省令統合案及び溶出試験条件改正案
- PL制度化進捗状況:改正の審議状況と論点、今後の見込み
- 何がどう変わるのか、ポリ衛協等の動き、海外企業の動き、輸入品
- 再生プラスチックのガイドラインと産業界の実態
- 企業としての対応と留意点
- 加・中国・東南アジア等の最新動向
- 加、中国、韓国、台湾、インド、インドネシア、ベトナム、タイ等
- オセアニア、湾岸諸国、南米南部諸国等
- 食品包装規制の最新動向のまとめと展望:EU規則が世界標準に略定着・日本は?
- まとめ
- 法規制情報の入手方法と情報源
- 参考文献と情報入手先
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