本セミナーでは、MLCCの生産に携わる技術者、使用する側の技術者の方を対象に、MLCCセラミック誘電体の材料開発から見た、MLCCの技術課題・動向を概説します。最近のMLCCの小型化、高温対応化は誘電体素子の薄層化に伴い、材料、部材、生産設備と、様々な技術課題が克服されてきました。今後、車載、IoT、5Gと需要の増大が見込まれる中、これまでの技術動向や課題を理解することは、今後のMLCCの開発、製造、使用における課題の克服に有益であると考えます。MLCCに係わる皆様に何かの指針、方向性を提供できればと思っています。
- 積層セラミックコンデンサ (MLCC) の概要
- セラミックコンデンサ
- インピーダンス素子としてのコンデンサ
- MLCCの概要
- Ni内部電極MLCCの登場
- Ni内部電極対応のBaTiO3 (BT) 材料
- 酸化物の還元現象
- 酸化物の格子欠陥生成
- 格子欠陥の制御
- BTにおける酸素空孔生成の抑制
- 酸化物結晶内の電気伝導
- 電気伝導現象概要
- 電子性伝導
- 高電界での伝導現象
- イオン性伝導
- BT誘電体セラミックスの特性
- BTの強誘電性
- BTの電気伝導性
- BT中の酸素空孔の移動
- BT粉末の微細化
- BTにおけるサイズ効果
- BT粉末の合成
- BT結晶性に影響する結晶欠陥
- 微細なBT粉末の合成
- BTセラミックスの構造制御
- セラミックスの構造
- コアシェル構造
- 非コアシェル構造
- BTセラミックスの信頼性
- 酸素空孔の移動、集積
- 異種元素添加による格子欠陥
- 添加元素 (ドナー元素、アクセプタ元素) 添加の効果、役割
- 粒界の役割
- MLCCの製造プロセス
- 製造工程の概要
- スラリーの分散性
- Ni内部電極の焼結性
- MLCC焼成時のBT酸素空孔の制御
- MLCCの技術動向
- 小型、大容量化
- 車載に向けた高圧、高温化
- IoT、5Gに向けた低ESR、低ESL化
- 新しいコンデンサの試み