シランカップリング剤は従来から無機・有機材料界面でのぬれ、接着性、相容性向上のために広く使われており、さらに近年ではナノスケールで均一化された無機・有機コンポジット/ハイブリッド系材料開発に不可欠なものとなっています。
本講では、シランカップリング剤の加水分解から重縮合にいたる反応性に影響するさまざまな因子、シランカップリング剤の反応メカニズムや、実用上重要となる各種無機・有機界面との界面層形成と界面反応の評価・分析方法について概説します。
- シランカップリング剤の反応メカニズム
- シランカップリング剤の反応
- 加水分解反応
- 重縮合反応
- シランカップリング剤の反応に影響する諸因子
- 加水分解・重縮合反応に及ぼすpHの影響
- 反応前処理の影響
- 溶媒、反応物濃度の影響
- 反応環境 (気相・液相) の影響
- シランカップリング剤の界面層形成
- 酸化物無機材料への界面形成
- 金属無機材料へのメルカプト基を介する界面形成
- 有機材料へのメルカプト基を介する界面形成
- 有機材料へのエポキシ基を介する界面形成
- 有機材料へのアミノ基を介する界面形成
- チオール/ホスホン酸SAMの概要
- ヒドロキシ基を介したチオール/ホスホン酸 – 有機シラン複合膜の形成
- 粉体/基板表面とシランカップリング剤の界面層形成評価
- FT – IRによる評価
- BETによる評価
- ゼータ電位による評価
- XPSによる評価
- AFMによる評価
- 接触角測定とXPS, AFM
- ナノスケールで見る「理想的」界面層と「実際の」界面層