第1部
導電性ポリマーコンポジット:導電性フィラーの配合とマトリックスポリマーとの相関
(2011年9月27日 10:30~12:30)
導電性ポリマーコンポジットの開発に当たってフィラーの分散性制御は最も重要な因子です。
本講演ではまず、ポリマー中でのフィラーの分散性に関係が深いパーコレーション現象と、低いパーコレーション閾値を得る配合・加工法について具体的に紹介します。
次いで、フィラーの表面処理効果について具体例を挙げて説明し、最後に、最近注目を集めているカーボンナノフィラーの分散制御による導電性コンポジットの製造法の例を紹介します。
- パーコレーション現象と導電メカニズム
- 統計的パーコレーション
- 熱力学的パーコレーション
- 動的パーコレーション
- 低いパーコレーション閾値を得る配合・加工法
- ダブルパーコレーション
- フィラー選択的局在化法
- 2段階パーコレーション
- フィラーの表面処理と分散性
- フィラーの表面処理法
- カップリング剤による表面改質
- ポリマーグラフト化による表面改質
- カーボンナノフィラーの分散制御による
導電性ポリマーコンポジットの製造
- 気相法炭素繊維
- カーボンナノチューブ
- グラフェン
第2部
二軸混練押出機によるフィラーコンパウンド技術
(2011年9月27日 13:15~14:45)
二軸混練押出機においてフィラーコンパウンドは最も代表的な用途である。
本講演ではフィラーコンパウンドを行う際に発生する問題点と、その改善技術を二軸混練押出機の特性と関連付けて解説する。
- フィラーについて
- 二軸混練押出機の特性
- 二軸混練押出機へのフィラー供給方式
- 一括フィード方式
- サイドフィード方式
- フィラーコンパウンドの律速条件と改善技術
- 空気抜き法
- 特殊フィードスクリュの効果
- 特殊ニーディングディスクの機能
- サイドフィード方式の適用例
- 原料特性と押出能力の関係
第3部
導電性 (低抵抗率) の測定について
(2011年9月27日 15:00~16:30)
本講義では、各種試料の導電性 (低抵抗率) の測定について、その原理や測定法の説明、実際に測定にあたっての注意点を解説する。
- 抵抗と抵抗率
- 低抵抗領域の測定
- テスターで測ると何故不安定なのか?
- テスターでの測定はダメなのか?
- 4端子法と2端子法
- 接触抵抗とは?
- 4探針法とは?
- 4探針法と4端子法の違い
- 表面抵抗率と体積抵抗率の使い分け
- 4探針プローブのピン間隔はどのように選ぶのか
- 薄膜の抵抗率測定
- オーバーロードが出る試料はどうしたら良いか
- 傷が付き易い試料の測り方
- 中間領域の試料は定電流印加法と定電圧印加法のどちらで測るか?
- 粉体の抵抗はどうやって測るか?
- 質疑応答・名刺交換
第4部
カーボン系導電性フィラー
(2011年9月28日 10:30~12:00)
カーボン系導電性フィラー、中でもカーボンブラックは、帯電防止や導電性付与の目的で樹脂やゴムの添加剤として幅広く用いられている。
本講演では、カーボンブラックの製法/特性/導電機構~用途例 (導電性以外の要求特性も含む) を主体に解説する。
特に演者が直接携わっている代表的な導電性カーボンブラックであるアセチレンブラックについては、樹脂やゴム用途以外の代表的用途である電池分野についても解説する。
- はじめに
- 各種導電性フィラーとその代表的用途
- カーボン系導電性フィラー
- カーボンブラックの製法と特性
- ファーネス法、サーマル法、アセチレン法
- 製法と基本性状の関係について
- 一次粒径
- 比表面積
- 表面官能基
- 結晶性
- 凝集形態
- 不純物
- その他
- 基本性状の評価方法
- 導電性カーボンブラックの特性と用途
- カーボンブラックによる導電機構
- 代表的な導電性カーボンブラック
- アセチレンブラック
- ケッチェンブラック
- ファーネス法導電性カーボンブラック
- 用途例と要求特性
- CVケーブル
- 導電性シリコーン
- ICトレー
- シート
- その他
- 電池用途におけるカーボン系導電剤の役割/アセチレンブラックを例として
- リチウムイオン二次電池
- 鉛蓄電池
- 電気二重層キャパシター
- 燃料電池
- その他
- その他のカーボン系導電性フィラー
- カーボンナノファイバー
- カーボンナノチューブ (CNF、CNT)
- その他
- ナノマテリアル対応上の留意点について
第5部
金属系導電性フィラー
(2011年9月28日 12:45~14:15)
電子機器の構成部材として、回路導体や電子部品の電極などにポリマーペーストが多用されている。
ポリマーペーストに対応可能な各種金属フィラーの製法及び得られる粉体の特徴を述べるとともに、低コスト対応金属粉末の一例について紹介する。
- 金属粉末の製造方法
- アトマイズ法
- 電解法
- 化学還元法
- 熱還元法
- 金属粉末の種類 (形状)
- 球状粉
- 樹枝状粉
- フレーク粉
- 金属粉末の特性
- 粉末特性
- 純度
- 粉末特性とペースト特性
- 粉末特生と粘度の関係
- 粉末特性と比抵抗の関係
- 粉末特性と接着性の関係
- 表面処理剤について
- 表面処理剤の効果
- 表面処理剤の種類
- メッキ粉
- 銀メッキ粉末の種類
- 銀メッキ粉の粉末特性
- 銀メッキ粉のペースト特性