近年、医薬品製造工場の建設は、エンジニアリング会社または、医薬エンジニアリング部門を持つゼネコンが、基本設計から試運転までを請け負うことが多くなって来ました。この現象は、医薬品がグローバル化し、輸出先国のGMPへの対応が必須となり、医薬品メーカー単独での対応が困難となって来たのが原因です。また、自国のGMPを持たない国からもPIC/S対応を求められるようになり、グローバル化の流れは留まるところを知りません。
このような状況の中、医薬品製造会社が新設工場の建設を行う場合、自前の工務部門または、生産技術部門が仕様書を作成し、エンジ会社またはゼネコンに発注することになります。受注したエンジ会社またはゼネコンは、ユーザー作成の仕様書に従い、設計、建設することになるのですが、ここで問題となるのはURSの品質です。URSはユーザーまたは建設を請け負う会社のどちらが作成しても良いのですが、その品質が、設計、建設、GMP適合等、各局面に影響を与え、ひいてはコストアップ、工程遅延の原因となります。
医薬品製造施設建設プロジェクトにおいては、ユーザー要求仕様書 (URS) を適切に作成することが最も重要です。バリデーションのみならずプロジェクト全体管理の観点からも重要であり、本セミナーでは、プロジェクトにおける各フェーズとURSの関係や、URSの骨格等を紹介し、URS作成の目的に対する理解を深めるとともに、ユーザーおよびエンジニアリング会社双方にWIN – WINなURSの作成方法について解説するものです。
- URSとは
- URSの目的
- URSの骨格
- 建設プロジェクトにおけるURSの位置づけ
- URとは
- URとURSとの差異
- プロジェクト上のトラブル事例
- ユーザーサイドから見たURS
~必要な機能、条件を列記するだけに終わっていないか~
- 建設請負者から見たURS
~記述不足のURSを勝手な解釈により、見積金額や工程を決定していないか~
- URSが招いたトラブル例
- 自動化の範囲を未規定→URSに不明確な記載
- 攪拌機のスケールアップ要否をURSに未記載→検討による費用アップ、納期遅延
- 乾燥が時間内に完了しない→乾燥条件をURSに提示不足
- トラブル防止策
~上記トラブル例についての防止策を具体的に解説する他、一般例にも言及する~
- バリデーション体系の展開
- URSとバリデーションの関係
~URSからIQ、OQ、PQへの展開が必須であり、それに耐える内容が必要~
- リスクおよびインパクトアセスとバリデーション
URSは欠陥を最小化するため、リスクアセス等の評価、分析が不可欠であり、ユーザー要求が適切かを検証することが、最も重要なバリデーションとなる。
本セミナーでは、URSがバリデーションに及ぼす影響を平易に解説する。
- URS作成方法
- 作成に必要なリスクアセスメント
- プロジェクトフェーズとURSの関係
- 法的要件の確認
- URSに記載するべき内容
- URSの記載不備例
- URS作成に必要なリスクアセスメント手法
- FMEA
- HAZOP
- URS作成演習
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