本セミナーでは、CFRPについて取り上げ、ハイブリッド構造の高信頼性化、接着剤設計・選定手法とぬれ性の評価について詳解いたします。
(2019年10月17日 10:00〜12:00)
繊維複合材料/金属ハイブリッド構造は剛性向上と軽量化を同時に実現するための方法であり、船舶、橋梁、自動車構造において広く採用されている。 繊維複合材料の性質上、継手の少ない構造が望ましいが、ハイブリッド構造では,異種の材料または部材の接合が必要不可欠であり、 ハイブリッド構造本来の機能を発揮するために、軽量、高強度、高信頼性の繊維複合材料/金属接合方法が望まれており、本講座で、その最新の方法と評価について紹介する。
(2019年10月17日 13:00〜15:00)
自動車に使われるさまざまな接着剤の特徴を理解し、ある程度設計ができるレベルを目指します。それぞれの接着剤の要求特性の解説からそれを満たすために必要な変性法をエポキシ樹脂を例として解説します。また、自動車用接着剤に必要な物性の評価法、上手な使い方、接着界面の分析法まで解説します。
(2019年10月17日 15:10〜17:10)
ぬれ性は接着をはじめとする様々な界面事象を知る上で重要な概念です。ぬれ性と言えば、必ず測定されている接触角ですが、この値の変動が表面分解能の高い最新分析機器に負けないくらい、最表面 (分子数層) の情報に敏感であることは意外と知られておりません。それだけに、表面・界面を扱う分野では接触角をはじめとしたぬれ性を正しく理解する必要があります。 一方、高分子など、ソフトマターと呼ばれる材料の表面は、例え非常に硬い樹脂であっても、置かれた環境に応じた成分の再構成が比較的早い時間で起こっています。したがって、最近の界面化学では経時変化や界面と接する環境移行などを考慮した動的な解析が界面機能の発現と持続性を評価する上で有効な武器となっています。 本セミナーではぬれ性の基礎を、接着・粘着現象との関係から説明した後、その動的解析の有効性や演者らによる異方ぬれの検討例を解説いたします。また、炭素繊維系複合材料の機械的強度に大きな影響を及ぼす無機/有機界面に着目した改質例を挙げ、異材界面の重要性についてお話しいたします。 本セミナーによって、界面機能性高分子材料 (例えば、接・粘着剤、塗料) の開発研究や異種材料の接着などに従事されている研究者 (技術者) に必要な界面に対する考え方を提供できれば幸いです。