本セミナーでは、高周波基板材料について取り上げ、5G向け低損失基板、部品を支える材料設計と接着・接合技術について詳解いたします。
(2019年10月4日 10:00〜11:30)
高速・大容量通信を可能とする5G技術の開発が加速化する中、従来に比べ伝送損失の低い材料への関心が高まっている。より高い周波数帯を使用する5G通信においては、低誘電率かつ低誘電正接材料が好ましく、これを実現する高周波材料については古くから検討がなされているが、依然それぞれ課題を抱えており、5Gに合致した最適化競争が繰り広げられている。材料特性に加え、信頼性・実装性・回路設計・製造コストなどを含め絞り込みが進んでいくであろう。 本セミナーでは、まず候補材料の現状、および、現時点における利点・欠点についてわかり易く解説し、それを踏まえ、今後のIoT社会および自動運転の基盤となる次世代通信インフラ実現のため、材料へ求められるPerformanceについて考察する。
(2019年10月4日 12:10〜13:40)
次世代通信規格5G及び自動運転に関わる制御デバイスの本格導入が予定されている中で、伝送情報量の増加に対応した高性能な高周波用電子部品が今後も急速に広がると予想される。通信機器の高周波化が急速に進むと、部品・回路設計のみならず、高周波部品に使用される材料にも対応が求められる。 今回の講座においては、当社LCPの誘電特性制御の材料設計の方向性について、コネクタへの適用を考慮した材料開発の動向について説明する。
(2019年10月4日 13:50〜15:20)
5G高速通信用の高周波プリント基板用材料に活用できるPTFEシートを実現するためにオリジナルの装置を開発した。PTFE基板の表面において、水酸化物を炭素原子に結合させることにより、濡れ性を向上させることができた。具体的にはA4サイズのPTFEシートの表面を改質させ、シートに水を垂らすと、水滴がサンプル平面に広がり、接触角が1桁台になる。この改質した表面にCuを付けた時の密着性は0.8N/mmであり、高い密着性がある。基板の伝送損失は10GHzで – 6dB/mであり、5G向けに低損失な基板として提供できる。実験データを交えてPTFE表面改質シートの説明をする。
(2019年10月4日 15:30〜17:00)
Society5.0に必要な高速通信 (5G) 用デバイス製造の基幹技術として低伝送損失積層回路基板が必須であり、低誘電率樹脂への直接めっき技術、直接接合技術が待望されている。 株式会社 電子技研では、独自のプラズマ表面改質処理により基材表面に官能基を付与することにより、低誘電率樹脂 (フッ素樹脂、LCP、COP等) への直接Cuめっき、フッ素樹脂/フッ素樹脂間ならびにフッ素樹脂/銅箔間を表面を荒らさず、かつ接着剤も用いず直接接合することを可能にする技術を開発しました。表面改質の原理から応用技術までを解説させていただきます。