撹拌装置は、通常金属で製作されているため、その中の現象を観ることができない。撹拌装置内で起きる現象の多くは流体現象であることから、その可視化技術が非常に重要となる。
本講座では、透明撹拌槽を用いた各種の実験動画を紹介して、撹拌槽内の現象を目で見て実感するとともに、その現象を数値で整理する方法について概説する。製造現場の技術者はもとより撹拌装置のCFD解析を実施する際にも念頭におきたい基本事項について講義する。
- 均相系撹拌の基礎と諸量
- 均相系撹拌の目的と装置の基本構成
- 撹拌槽内のフローパターンと撹拌羽根の分類
- 撹拌操作に関する諸量と無次元数
- 撹拌翼回転数 N と羽根先端速度 vtip
- 撹拌レイノルズ数 ReM
- 撹拌所要動力 P、動力数 Np と 単位体積あたりの所要動力 Pv
- 永田らの式
- 亀井・平岡の式
- 混合達成時間 tm と無次元混合 (達成) 時間 N tm
- 吐出流量 qd と 吐出流量数 Nqd
- 撹拌羽根周りの流速分布 (乱流、層流、遷移域流)
- 固液系撹拌の基礎
- 固液撹拌操作の基礎
- 粒子径分布と代表粒径
- 固体粒子の沈降速度の推算
- 固液撹拌で汎用される撹拌翼とフロ – パターン
- 槽底からの固体粒子の浮遊・分散
- 粒子分散状態の分類 (完全浮遊化状態)
- Zwiteringの完全浮遊化回転数の相関式と所要動力
- 槽底からの粒子浮遊のラグランジアン解析事例
- 槽全体での固体粒子の分散と濃度分布
- 気液系撹拌の基礎
- ガス吸収の基礎
- ヘンリーの法則
- 二重境膜説と液側物質移動係数
- 気液撹拌操作の基礎
- 通気撹拌動力と通気動力
- 通気数と通気動力線図
- 撹拌装置のスケールアップの考え方
- 熱伝達係数
- 乱流均相系撹拌の場合
- 乱流固液系撹拌の場合と注意を要するケース
- 層流ニュートン流体の場合
- 質疑応答