腹腔鏡下手術で使用できる操作性の高い止血材の開発

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プログラム

第1部. 脳神経外科での止血材の使い分けとトラブル対策

(2019年10月3日 10:00〜11:30)

 脳神経外科手術においては、術後出血は特に大きな合併症です。一言に出血と言っても、その原因は多岐に及んでいます。本講演においては、脳外科手術における実際の手術操作をvideoでご覧いただき、手術における止血方法と、止血材をどのように使用しているかをお示ししたいと思います。

  1. 脳神経疾患の色々
  2. 基本的な解剖
  3. 実際の手術と止血操作 (手術手技VIDEO)
    • 脳腫瘍
    • 血管障害
    • 外傷
    • その他
  4. 現在使用している製品の利点、欠点

第2部. 肝胆膵外科での止血材・癒着防止材:臨床現場からのフィードバックとリクエスト

(2019年10月3日 12:15〜13:45)

 肝臓・膵臓は、消化液を産生する臓器であり、切除した臓器断端から漏出した消化液は、わずかであっても他の臓器を損傷させるリスクがあり、それを解決する方法は現時点でまだない。肝胆膵外科医が求め、患者が必要とする臓器被覆材の特性について、現状の問題点と今後の要望を含めて、実際の手術や臨床現場の画像とともに解説する。

  1. 消化器手術の実際
    1. 消化器手術の場面と臓器切除後の様子
    2. 癒着が生じるメカニズムとは?
    3. 癒着の不都合とは?
  2. 肝胆膵領域・肝胆膵外科の特徴
    1. 肝にはどのくらいの再生力があるのか?
    2. 膵液瘻はなぜ致命的なのか?
    3. 胆汁漏とその予防と対処
  3. 肝胆膵外科分野でシーラント剤が活用できる部位とは?
    1. 肝切除後の切離面
    2. 膵切除後の切離面
    3. 消化管切除吻合後の吻合部
    4. リンパ節郭清や剥離後の剥離面
    5. 手術創部直下
  4. 肝胆膵外科領域で外科医が求める素材・シーラント材とは?

第3部. 小児外科からみた内視鏡手術の実際と止血剤ニーズ

(2019年10月3日 14:00〜15:30)

 小児外科領域でも、成人外科と同様に従来、開腹・開胸で行われていた手術が内視鏡手術に移行してきている。また、小児外科では、成人と異なり良性疾患を手術することがほとんどであり、3kgに満たない新生児から成人とほぼ同じ体格の15歳以下の疾患を取り扱う。内視鏡手術では、成人と比べ、手術を行う体腔が狭く使用する鉗子も細径のものが用いられる。小児外科の特性に合わせた理想的な止血剤とそのニーズに関して課題をまとめる。

  1. 小児外科の特性
    • 対象年齢と対象疾患
    • 成人とは異なる特性
  2. 小児外科での内視鏡手術の特性
    • 手術を行う体腔 (胸腔・腹腔) の大きさと視野確保の問題
    • 手術器具の特徴
  3. 対象となる小児外科疾患
    • 胸腔鏡手術
    • 腹腔鏡手術 (消化管)
    • 腹腔鏡手術 (その他)
    • 内視鏡手術以外での需要
  4. 出血への対処法
    • 内視鏡器具による止血
    • 実際に使用されている止血剤
  5. 小児外科、特に内視鏡手術で求めれる止血剤 (可能性と課題)
    • 止血効果
    • 内視鏡手術に合った操作性
    • 吸収される素材
    • その他 (アレルギー、他) )

第4部. 内視鏡手術に有望な止血材の材料と止血効果評価のポイント

(2019年10月3日 15:45〜17:15)

 外科用止血材 (剤) の開発には、材料・プロセッシング・医学に渡る学際的な知識が必要である。また内視鏡手術下では投与のために、材料を長く細い内視鏡鉗子口を通過させる必要があり、投与方法に工夫が必要である。基礎的な知識から、近年の新しい手法や開発材料に渡って解説を行う。

*イントロダクション

  1. 止血材の材形と投与方法・アプリケーター
    1. フィルム
    2. ダブルシリンジ
    3. アトマイザー
    4. 粉体投与
  2. 生理的な凝固止血プロセスの概要
    1. 血小板凝集
    2. 凝固系の作用
    3. 炎症系とのクロストーク
    4. 線溶系の作用
  3. 既存の止血材、あるいは開発中の止血材
    1. フィブリン糊
    2. フィルム状止血材
    3. 粉末状止血材
    4. ゲル状止血材
    5. 人工血小板
  4. 止血材の物性評価
    1. ゲル化速度・分解速度
    2. ヤング率・破断強度
    3. 接着試験,バースト試験
  5. 止血効果の評価方法 ex vivo
    1. 血小板凝集試験
    2. 新鮮凍結血漿 (FFP) 凝固試験
    3. 全血凝固試験
  6. 止血効果の評価方法 in vivo
    1. 尾切断出血モデル
    2. 大腿動脈離断モデル
    3. 脾臓裂傷モデル
    4. 肝臓穿刺モデル

第5部. 内視鏡手術に向けた生体接着性材料の開発

(2019年10月4日 10:30〜12:00)

 内視鏡手術において、生体材料の役割は大きく、特に、術時に体内の環境下で液体 (ゾル) から固体 (ゲル) へ相転移するin situ材料は多様な用途展開が期待されている。本講演においては、内視鏡下で使用可能であり、体内の湿潤環境下において接着性を示す生体接着性材料について紹介する。

  1. 生体組織接着剤
    • 現状の生体組織接着剤と課題
    • 生体組織接着性材料の研究開発動向
    • 生体組織接着剤の課題と開発ポイント
  2. 生体接着材料および生体組織接着技術の紹介
    • ゾル – ゲル型接着材料 (呼吸器系、循環器系)
    • 噴霧型接着材料 (消化器系)
    • リン酸カルシウムによる生体組織接着技術
  3. 医療分野における生体接着材料の位置付け
    • 生体接着材料の市場構成
    • 生体接着材料の将来性

第6部. 止血剤・組織シーラント市場の現状と将来予測

(2019年10月3日 12:45〜13:45)

 世界の止血剤および組織シーラント市場のトレンドについて分析し、アプリケーション別トレンドや市場の構造、主な市場促進・抑制要因、全体的な市場規模の動向見通し、中国の止血剤・組織シーラント市場トレンド、止血剤・組織シーラントに関する規制等について発表いたします。

  1. 止血剤・組織シーラントの世界市場トレンド
  2. アプリケーション別トレンド
  3. 中国の止血剤・組織シーラント市場トレンド
  4. 止血剤・組織シーラントに関する規制等
  5. 結論

第7部. 整形外科領域における内視鏡手術の実際と止血材ニーズ

(2019年10月3日 14:00〜15:30)

第8部. 腹腔鏡下手術における出血・体液漏れの対処法と止血剤の使い方

(2019年10月3日 15:45〜17:15)

 腹腔鏡下手術は各領域で標準術式となったが、開腹手術に比べて出血時の対処が困難な 場合があり,止血法の習得と工夫が特に重要である。本講演では、腹腔鏡下手術における出血・体液漏れの対処法と局所止血剤の使用法について解説する。

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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