エポキシ樹脂は耐熱性、接着性、耐薬品性、機械的性質、電気絶縁性などに優れており、電子機器、土木建築分野、塗料などに使われている。しかしながら、エポキシ樹脂硬化物の物性は用いる硬化剤によって大きく左右されるため、それぞれの用途に相応しい樹脂設計は、非常に困難になっている。
本セミナーでは、エポキシ樹脂並びにその硬化剤の基礎的な知識だけではなく、エポキシ樹脂配合を設計するにあたって有用な分析手段、硬化剤の種類と用途などを具体例を挙げて詳説する。
また、エポキシ樹脂の特長を損なわずにフィルム化できれば、さらに多くの用途が期待できる。現状ではベンゼン環と水酸基を併せ持つフィルム形成高分子はない。ベンゼン環によって耐熱性、機械的性質などに優れ、水酸基によって接着性、熱硬化性などが付与できる。プリント配線板の基材として利用できるほか、様々な電子材料に利用できると考えられる。また、水酸基を極性の異なる化合物で修飾できれば、耐熱性分離膜などにも利用できると考える。
- 緒言
- エポキシ樹脂の定義
- エポキシ樹脂の歴史
- 世界の需要
- 他の樹脂系との比較
- エポキシ樹脂配合の特殊性、困難性
- エポキシ樹脂の種類と特徴
- エポキシ樹脂の分類
- 汎用エポキシ樹脂
- 特殊エポキシ樹脂
- エポキシ樹脂用硬化剤
- アミン系
- 酸無水物系
- フェノール系
- イミダゾール系
- エポキシ樹脂用硬化促進剤
- アミン系
- イミダゾール系
- 紫外線 (UV) 硬化用
- 電子線 (EB) 硬化用
- 変性剤、添加剤
- エラストマー
- 難燃剤
- カップリング剤
- 無機充填材
- 希釈剤
- エポキシ樹脂、硬化剤の評価法
- 赤外分光法 (IR)
- 核磁気共鳴法 (NMR)
- 高速液体クロマトグラフィ (HLC)
- ゲル浸透クロマトグラフィ (GPC)
- 硬化性の評価法
- ゲル化時間
- 赤外分光法 (IR)
- 示差走査熱量計 (DSC)
- 硬化物の分析
- 無溶媒ワニスからの樹脂板の作製
- 溶媒含有ワニスからの樹脂板の作製
- 粘弾性解析 (VEA)
- 熱機械分析 (TMA)
- 熱重量分析 (TGA)
- 熱分解ガスクロマトグラフィ質量分析 (GC-MS)
- 機械的性質
- 解重合生成物分析
- エポキシフィルムの合成と評価
- エポキシフィルムの意義
- 熱可塑性と熱硬化性
- エポキシフィルムの利点
- 熱硬化性フィルム
- 高分子量エポキシ重合体
- 合成法
- 評価法
- 溶媒種類
- 触媒種類
- フェノール/エポキシ比
- 各種フェノール類
- エポキシフィルム
- ガラス転移温度
- 引張試験
- フェノール/エポキシ比
- 各種フェノール類
- 架橋エポキシフィルム
- 架橋剤の選択
- イソシアネートのマスク化
- ガラス転移温度
- 引張試験
- イソシアネート/水酸基比
- 各種用途におけるエポキシ樹脂配合
- 塗料
- 電気絶縁用モールド樹脂
- 半導体集積回路 (IC)
- プリント配線板 (PWB)
- 土木建築用途
- 炭素繊維強化複合材料 (CFRP)
- 結言