透明ディスプレイへ向けた材料開発と表示技術

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会場 開催

本セミナーでは、透明ディスプレイについて取り上げ、窓・サイネージ・ヘッドアップディスプレイなどへの応用展開に向けた研究事例を詳解いたします。

日時

開催予定

プログラム

第1部 エレクトロクロミックディスプレイの表示メカニズムとその応用展開

(2019年9月20日 10:00〜11:30)

 震災以降の電力使用量削減の方向性も含め、近年、省エネルギー技術に大きな関心が集まっている。エレクトロクロミズムと呼ばれる可逆的な電気化学発消色挙動は、省エネルギー性が期待されるエネルギーの出入りを制御できる調光窓や紙と電子媒体の長所を兼ね備えた表示素子 (カラー電子ペーパー) などに応用できる技術として近年その価値が再燃しつつある。  本セミナーでは、電気化学 (電子移動・イオン伝導や材料) の「基礎」から調光窓などへの「応用」に至るまで解説する。

  1. 省エネルギー型技術における電気化学
  2. 電極反応と表示素子
    1. 電極反応
    2. 電極反応を利用した表示素子
  3. エレクトロクロミズムの現況
    1. エレクトロクロミズムの特徴
    2. エレクトロクロミック材料と応用
  4. 有機エレクトロクロミック材料とカラー化
    1. 構成材料の検討
    2. 積層型カラー表示素子
  5. 金属エレクトロデポジション (電解析出) とプラズモン活用調光応用
    1. 電解析出ナノ構造を利用したミラーを含む多色発色
    2. 調光技術としての応用
  6. 反射/発光型デュアルモード表示
    1. 安価簡便技術な電気化学発光と交流駆動
    2. 電気化学デュアルモード表示素子
    3. フレキシブル電子ペーパーについて

第2部 透明フレキシブル有機ELパネルの開発

(2019年9月20日 12:10〜13:40)

 有機ELは透明化が可能であること、フレキシブル化が可能であることから、スマートフォン・TVのディスプレイだけでなく、車載等の広い分野に注目されています。本講座では、有機ELを理解しやすいよう基本的な原理からフレキシブル化・透明化の技術の要点まで、当研究室で得られているデータも踏まえ、わかりやすく解説します。

  1. 緒言
    1. フレキシブル有機ELディスプレイの最新状況
    2. フレキシブル有機ELの構造
    3. 有機EL市場
  2. 有機ELの原理と課題
    1. 有機ELの原理
    2. 有機ELの課題
  3. フレキシブル有機EL
    1. ダムフィル構造
    2. TFE構造
    3. ラミネート部材
    4. 塗布型封止構造
    5. ガラスをベースとした湾曲パネル (スリミング技術)
  4. 有機ELの透明化
    1. 透明化の方法
    2. それぞれの課題
  5. 当研究室の紹介

第3部 透明有機ELと透明電気化学素子を組み合わせたスマートウィンドウの開発

(2019年9月20日 13:50〜15:20)

 次世代のディスプレイと位置づけられていた、有機ELは現在では、スマートウォッチ、スマートフォンさらには大型の高精細なTVにも採用されるようになり、多くの場所でその製品が見られるようになった。有機ELは薄膜、自発光がその本質の特徴であるため、上部と下部の電極を透明にすると、非発光時に透明なディスプレイが作製可能である。しかしながら、これらのディスプレイは展示会ではよく見かけられるものの、製品としてはほとんど出回っていない。  本セミナーでは、透明有機ELを作製する技術要素について説明する。さらに、これらの技術を補完し、黒表示や、透明状態を必要な時のみ鏡などにできる多機能窓、スイッチャブルスマートウィンドウについても説明する。

  1. 有機ELの発展
    1. 有機ELの進展
    2. 透明ディスプレイの現状
      • 透明スクリーン
      • 無機EL
      • POV
      • 有機ELなど
  2. エレクトロクロミック素子
    1. エレクトロクロミック素子の進展
    2. 透明エレクトロクロミック素子
  3. 透明有機ELの作製における技術課題
    1. 透明な電極の仕事関数 (電極からのキャリア注入の観点から)
    2. キャリア注入の観点からの透明導電電極の探索とプロセス温度
  4. 銀イオンを用いた透明EC素子
    1. 銀イオンを用いた透明EC素子の応用
    2. 銀イオンを用いた透明EC素子を用いた熱遮蔽効果の検討
  5. 透明有機ELと銀イオンを用いた透明EC素子組み合わせたスマートウィンドウ

第4部 セラミックスナノ粒子と透明高分子の複合化による透明アップコンバージョンディスプレイの作製

(2019年9月20日 15:30〜17:00)

希土類イオンをドープしたガラスやセラミックスの光物性の研究を起点に、さまざまな蛍光体応用に展開してきました。今回お話しするのはアップコンバージョン透明ディスプレイのお話ですが、このセミナーでは蛍光体の考え方、蛍光体の作り方、透明複合材料の考え方と作り方についてわかりやすく解説できればと思っています。
  1. 蛍光材料
    1. 蛍光体とその材料設計
    2. 希土類イオンの蛍光とその材料設計
    3. 希土類イオン含有セラミックスの様々な応用と材料設計
  2. 希土類含有セラミックスナノ粒子の合成プロセス
    1. セラミックスナノ粒子の合成に必要なこと
    2. 共沈法
    3. 熱分解法
  3. 複合材料の透明化
    1. 物質の透明化
    2. アップコンバージョン透明ディスプレイ
  4. 希土類含有セラミックスナノ粒子の様々な新たな応用

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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