ドライアイの診断・治療と点眼薬の眼内移行性評価

再開催を依頼する / 関連するセミナー・出版物を探す
会場 開催

本セミナーでは、製薬メーカーの実務者が、涙液成分分析とドライアイの関係性、薬物眼内動態の試験法、評価法を解説いたします。

日時

開催予定

プログラム

第1部. 点眼薬物の眼内移行性の評価

(2019年9月26日 10:30〜12:00)

 薬物の眼内組織への薬物移行は、眼組織における生体膜透過バリアである血液一眼房水関門および血液-網膜関門により制限されており、その移行は非常に低いことが知られている。眼科領域、とくに外眼部あるいは前眼部疾患における薬物療法では、簡便かつ安全性の高い点眼薬がもっとも広く使用され、治療薬は主として角膜上、あるいは結膜嚢内に点眼投与される。眼内へは角膜および結膜を透過し移行するが、角膜が主要経路であり、薬物の眼内移行率は最大でも投与量に対して約5%である。眼内移行性の良否は、点眼薬の開発に際してもっとも重要な項目の一つであり、薬物の角膜透過性を把握することが重要となる。  本セミナーでは点眼された薬物の眼内動態 (ocular pharma-cokinetics:PK、眼組織での吸収・分布・代謝・排泄) に関して、その評価法、影響を与える因子、薬理作用との関係などについて解説する。

第2部. ドライアイ患者の涙液成分分析

(2019年9月26日 13:00〜14:45)

 ドライアイの概念が見直され、それに伴いドライアイの定義、診断基準が改定され、またドライアイ診療ガイドラインが作成されました。ドライアイ診断の幅が広がった分、より正確に病態を把握した上、適切な治療が求められるようになりました。本講演ではドライアイ患者の病態の理解のための方法の一つとして涙液成分分析の結果を含めて、臨床医の立場からお話いたします。

  1. ドライアイとは
    • ドライアイの定義、診断基準 (2016) について
    • ドライアイガイドライン (2019) の概要
      • 診断基準とガイドラインについて解説します
  2. ドライアイの診断と治療の現状
    • TFOD (Tear Film Oriented Diagnosis) とTFOT (Tear Film Oriented Therapy) :眼表面の層別診断と治療について解説します
  3. ドライアイ患者の涙液成分分析
    • ドライアイ患者の涙液成分分析の結果につき、自験例を中心にお話します
  4. ドライアイに求められる新薬像
    • 臨床医の立場より患者の求める薬物治療について、私見を述べさせていただきます

第3部. ドライアイの原因解明とドライアイの予防・改善の創薬開発

(2019年9月26日 15:00〜17:00)

 日本国内で年間1200万人ともいわれるドライアイ患者の予防・治療薬については多数販売されているが、その予防・治療効果は十分ではありません。我々は、PACAPという神経ペプチドが涙液分泌に必須の働きをしていることを動物実験で発見しました。そこでこのペプチドの涙液分泌調節機構の全容やドライアイの予防・治療につながる研究結果を報告します。さらに人での臨床応用研究についても言及します。

  1. ドライアイについての説明
    1. ドライアイの解説とその治療法の紹介
    2. ドライアイ治療法の限界と問題点
  2. ドライアイの発症原因の基礎研究
    1. 神経ペプチドPACAPの概説と生理作用
    2. PACAP遺伝子欠損動物とドライアイ現象の関連性
    3. PACAPによる水チャンネルAQPの活性化
  3. PACAPによるドライアイの予防・治療法
    1. PACAP点眼による涙液分泌促進作用とその持続作用
    2. ドライアイモデル動物でのPACAP点眼と涙液分泌作用
    3. PACAP点眼によるドライアイの予防・改善効果
  4. ドライアイについての創薬展開
    1. 人の予備実験によるPACAPの涙液分泌作用
    2. 人での臨床応用に向けての創薬
  5. PACAPによる新しい生理機能
    1. PACAPによる角膜上皮の再生・新生作用
    2. PACAPによる角膜上皮再生の分子制御機構
  6. PACAPによる眼科領域でのさらなる創薬展開

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
株式会社 技術情報協会の地図

受講料

複数名同時受講割引について