“二次電池工学“とは些か大げさなタイトルであるが、研究開発を実用に活かす為のエンジニアリング=二次電池工学と考えて。本セミナーを企画した。
筆者はこの数年、リチウムイオン電池の製造や、安全性試験に関する技術セミナーの講師を務めて来た。セミナーの中で多くの質問を頂いたが、そのかなりの部分が、左記の主題もともかく、かなりリチウムイオン電池とシステムの基本的 (初歩的な) 事項に関することであった。
二次電池システムを、化学材料的に見る、電気化学デバイスとして見る、EVなどの電動動力システムと考える…その統合にはかなり工学的な、応用技術のノウハウKHの蓄積が求められる。伝統の鉛蓄電システムには、電池工学的な専門書も出版されているが、リチウムイオン電池の場合は、1991年からの短い経過で、工学的な成書は殆ど見られない。
本セミナーでは、以下の1.電池 でんき を ためる から 2.セル (単電池) の構成~ 9.二次電池の技術動向まで、かなり広範囲にわたって、実用電池システムに関して、出来る限り順を追って解説したい。実務にあたる方の疑問点を解消する役に立てれば幸いである。
なお、電気回路技術やEVの動力システムなどの、専門特化した技術にはKH的に解説不可能な部分があり、これは割愛したことは了解願いたい。
- 電池 でんき を ためる
- 蓄電デバイスvs.発電デバイス
- 直流DC、交流ACと静電気
- リチウムイオン電池=非水電解液電池
- イオン、エレクトロンとエネルギー
- 化学電池=電気化学とデバイス化
- セル (単電池) の構成、構造と容量設計
- Ah容量とセルの構造
- 電極板、端子構造と放熱性
- 捲回 (角槽、円筒) 函体収納
- 積層 (平板) ラミネート外装収納
- セルの放熱と蓄電システムの冷却
- セル>モジュール (組電池) とシステム
- モジュール化、AhとWh
- 充放電回路との組合
- 小型、中型と大型 (1) 基本形
- 小型、中型と大型 (2) 応用事例
- エネルギー、パワーとサイクル特性
- 電流、電圧と抵抗
- 充電、放電と時間 (Cレート)
- エネルギー (容量) 特性と測定方法
- パワー (出力) 特性と回生充電
- サイクル (寿命) 特性
- 実用セルの特性チャート
- セルの基本設計と正・負極材
- 正負極材の容量と選定 (1) 単元系
- 正負極材の容量と選定 (2) 多元系
- 容量設計と (A負極/C正極) 比
- 電極板の目付量 (mg/cm2)
- 設計のステップと検証
- 主要材料・部材の概要と問題点
- 電解液と電解質
- セパレータ
- バインダー
- 集電箔 (正極、負極)
- 外装材 (ラミネート包材)
- その他
- 電池の製品規格と安全性試験
- 国内の規格 (一覧表)
- 海外の規格 (一覧表)
- UL規格などの認証規格 (一覧表)
- EV用電池システムの安全性規格と試験
- 定置用蓄電システムの安全性規格と試験
- リチウムイオン二次電池の市場動向
- 応用分野1 再生可能エネルギー蓄電
- 応用分野2 EV、PHVなど自動車分野
- 応用分野3 超小形カードセル (スマホ・携帯電話等)
- 電池のコストと原材料資源
- (終章) 二次電池の技術動向とパラダイムシフト
- ポストリチウムイオン電池
- 全固体リチウムイオン電池
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