電子機器の開発の中で、商品化直前に行われるEMC (電磁両立性) 試験は、設計段階から対応策を考えておかないと、後戻りが大きく、適合が難しい試験の一つです。また、最近では、無線を使用する消費電力の小さなIoTのハードウェアにまつわるノイズの問題も出てきており、製品単独ではなく、製品が設置される場のノイズ環境を含めた、総合的なノイズ問題解決の必要性が増しています。
一方、職場では、ノイズに詳しいベテランが退職した後、書物でノイズ技術を学ぼうとすると、難解な方程式の並んだ参考書、かゆい所に手が届かない対策本などが壁になって本質的、体系的な理解がなかなか進みません。
本セミナーは、そのような方々を対象に、数式を極力使わず、「なぜそういう対策を取るのか」を学べるようにしました。そして、設計段階ではノイズに対処した設計が独力ででき、電波暗室では現物を前にして、どこをどう攻めれば良いかが分かる、実践的な内容としました。
- ノイズの基本とEMC
- 電子機器とノイズ
- 電子機器と電磁環境
- ノイズとは何か
- ノイズの二面性
- 時間的特性
- 伝達経路
- 具体的ノイズ源と特性
- ノイズの物理
- ノイズと電磁気学
- 交流の基礎知識
- 周波数スペクトル
- 波形とスペクトル
- 見えないLとC
- 電磁波の発生
- 電磁波とアンテナ
- コモンモードとノーマルモード
- ノイズの計測・評価
- ノイズ計測とデシベル
- 波形測定
- スペクトル測定
- 電波暗室とレシーバ
- 共通EMC規格とその意味
- EMC規格試験の目的
- エミッション試験
- 雑音端子電圧
- 雑音電界強度
- 電源高調波
- フリッカ
- イミュニティ試験
- 静電気放電
- 無線周波電磁界放射
- ファーストトランジェント・バースト
- 雷サージ
- 無線周波電磁界伝導
- 電源周波数磁界
- 電源電圧ディップ・瞬停
- ノイズ対策の基礎と実践
- ノイズ問題の特質と解決法
- ノイズ問題の特質
- 問題の本質の掴みかた
- 再現性の確保のしかた
- 実力アップのためには
- (エミッション) 発生源を叩く
- 伝達経路を断つ
- (イミュニティ) 耐性を上げる
- 設計時の対策技術
- 設計時の対策の考え方
- 回路・基板
- 機内・機外ケーブル
- フレーム・筐体
- 既製品・外部設計品
- 設計後の対策技術
- 設計後の対策の考え方
- フェライトコア類
- フィルタ
- シールド・GND強化部材
- 電磁波吸収体