近年、リチウムイオン電池の異常発熱や発火などを原因としたトラブルから、製品回収へと至ったり、使用や輸送等に新たに規制が加えられたりする例が散見されるようになっている。
本セミナーでは、リチウムイオン電池が異常発熱、発火等の非安全へと至るメカニズム、それらを抑えて安全を確保する技術、またリチウムイオン電池の安全性に関連する規制や規格動向について、理論に秀でた大学教授と経験豊富なコンサルタントの二人が、リチウムイオン電池の安全性に関して“技術“と“規制・規格“の両面から語り尽くします。
(2019年8月29日 10:30〜12:30)
リチウムイオン電池は電気自動車を中心に今後飛躍的に市場が拡大するとの経済予測がある。しかし、工業製品としての安全性は十分とはいえず、毎年、発火の可能性がある電池のリコールがなされている。本講演ではリチウムイオン電池の安全性の基礎、現状と課題、安全性向上対策等について概説し高性能電池開発の助としたい。(2019年8月29日 13:20〜17:00)
今回の講演題目は、些か “表と裏をひっくり返した” 様な捉え方である。通常この種のテーマは、“リチウムイオン電池の安全性と試験規格”の様な、順序立てた内容で扱われる。確かに、国内外に多くのリチウムイオン電池の安全性規格があり、試験をクリアしていれば、電池の発火事故などは起こらない筈ではある。 とは言え、1991年のリチウムイオン電池の創生から今日まで、多種多様な事故、発火/破裂/漏液..は延々と続いている。今回のテーマの取り上げ方は“非安全へ至るメカニズム”に可能な限り迫り、その中から安全性を確保する策を探ろうと言う道筋である。 最近の高性能な正極材と負極材で、優れた特性、比容量 (Wh/kg、Wh/L) の高いリチウムイオン電池を設計・製作することが可能になった。一方でその電池が数千サイクルの充放電で性能と安全性を維持可能か、EVなどの過酷な使用環境で安全性を維持出来るかは、かなりの確率で不安定要素を抱えたままで進まざるを得ない。 本セミナーでは、可能な限り、目前の危険な状況を捉えて原因を考え、リチウムイオン電池の材料、設計と製造に戻って予防措置 (アクション) が出来ないかを考えてみたい。電池の原材、部材と電池メーカーにとって、上記の様な視点に立って開発を進めてゆくことが、単にデッド・コピーの技術との差別化につながる策であろう。
※ 講演時間の都合により、一部の項目に言及しない可能性がございます。
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