第1部 『蛋白質生産細胞の培養プロセスでの凝集抑制・凝集体除去と抗体医薬品高品質化の細胞構築/培養』
(10:30~12:30)
抗体医薬品生産プロセスにおいて、生産培養、抗体精製、製剤化の各過程において凝集抗体が形成されることが報告されている。なかでも培養プロセスにおける凝集形成については、そのメカニズムも含めて基礎的な知見を含めた研究開発の実例が少ない。本講演では抗体生産CHO細胞の培養プロセスにおける凝集抗体の形成とその抑制法、さらに凝集を抑えるための細胞株構築などに関するアカデミア研究のシーズ技術開発を紹介する。
- はじめに
- バイオプロセスにおける抗体凝集
- 細胞培養中の抗体凝集に関する研究報告例
- 細胞培養プロセスにおける凝集抗体形成機構
- ケミカルシャペロン添加による難発現性抗体の凝集抑制の試み
- 抗体生産CHO細胞からの凝集抗体分泌とその構造的特徴
- 抗体品質を向上させるCHO細胞株構築は可能か?
- 細胞工学、培養工学の観点からの抗体品質向上アプローチ
- 合理的細胞設計へ向けて
第2部 『バイオ医薬品で起こる蛋白質凝集メカニズム、凝集体形成防止・製剤安定化に関する取組み方、ストラテジー』
(13:20~16:20)
近年、バイオ医薬品に含まれる蛋白質凝集体の免疫原性が懸念されており、凝集体の発生機構の理解と発生の抑制は重要な課題である。本講演では、バイオ医薬品の凝集体発生のメカニズムを解説し、ケーススタディを交えながら、製剤による安定化の方法と注意点について説明する。適宜、凝集体についてレギュレトリーサイエンスの観点からの動向についても述べる。
- バイオ医薬品の製剤に関連した基礎知識
- バイオ医薬品の構成
- 蛋白質の一次構造、二次構造、三次構造、高次構造
- 化学構造変化
- 変性
- バイオ医薬品に含まれる凝集体に関する基礎知識
- バイオ医薬品に含まれる凝集体研究の現状、免疫原性との関係
- 凝集体の分類
- 解離会合
- 物理ストレスとの関係
- サイズによる分類
- 特性解析と規格との関係
- バイオ医薬品における凝集体関連情報
- 2014年8月発表”Guidance for Industry” について
- USP787について
- 日本薬局方での取扱について
- タンパク質の安定性と凝集メカニズム
- タンパク質の安定性
- コロイド安定性と構造安定性
- コロイド安定性とDLVO理論
- 構造安定性と自由エネルギー変化
- タンパク質の凝集メカニズム
- 第2ビリアル係数、拡散係数の濃度依存性
- タンパク質の安定性と溶媒組成、添加剤の効果
- タンパク質の安定性と塩
- ホフマイスター系列
- 塩とタンパク質の相互作用
- 塩によるタンパク質の安定化・不安定化
- タンパク質の安定性と糖類
- 選択的溶媒和
- 糖によるタンパク質の安定化
- 糖を添加する場合の注意点
- タンパク質の安定性と界面活性剤
- 界面活性剤とタンパク質の相互作用
- 界面活性剤によるタンパク質の安定化
- 界面活性剤を添加する場合の注意点
- タンパク質の安定性とその他の添加剤
- タンパク質医薬の保管容器
- タンパク質容器における注意点
- 具体的な容器