第1部 導電性接着剤の材料設計、特性改善技術
(2019年9月5日 10:00〜12:00)
導電性接着剤は代表的な電子実装用材料ですが,導電機構などの学術的な基礎は必ずしも明らかになっておりません。従来は金属フィラーを高充填するための混合プロセスに重点をおいた材料開発が進められてきましたが、近年ではそれに加えて、化学的因子の影響による導電性制御についても注目されるようになりました。その結果、銀ミクロ粒子の低温焼結や大気キュア可能な銅系導電性接着剤などが開発されるようになりました。
本講演では、導電性接着剤の電気伝導特性に及ぼす化学的因子の影響に関する現状での理解について解説いたします。
- 導電性接着剤の輸送特性
- 導電性粒子分散樹脂の従来の解析モデル
- 動的パーコレーション
- インピーダンススペクトルから見たパーコレーション転移挙動
- フィラー間導電コンタクトのモデル
- 物理モデル
- 電気抵抗率の温度依存性に基づく導電機構の理解
- 動的キュアプロセス解析
- 熱分析結果と粘弾性特性変化の比較
- キュアプロセスでの電気抵抗変化
- インピーダンススペクトル解析
- 電気伝導特性における界面ケミストリの役割
- 導電性接着剤の熱伝導特性
- 導電性接着剤の材料設計の具体例
- 樹脂バインダ中での銀ミクロフィラーの低温焼結誘導
- 大気キュア可能な銅ペースト
- 伸縮性導電性ペースト
第2部 銅系導電性接着剤の樹脂-金属界面特性と熱・電気特性の改善
(2019年9月5日 12:45〜14:45)
低温接合を実現可能なはんだ代替材料候補のひとつである導電性接着剤の最大の弱点は、熱および電気の伝導特性がはんだに劣ることである。その伝導特性を金属フィラーの接触によって担っていることが、抵抗を十分に下げられない、或るいは高抵抗となってしまう最大の要因であると考えられる。
本講演では、その接触を実現している樹脂/金属の接着から、導電性の測定ならびに、接触状態の変化と導電性の変化に関する基礎的現象について紹介する。また、接触抵抗を低減して導電性を改善するために用いた手法とその効果についても紹介する。
- 導電性接着剤の性能
- 樹脂-金属の接合
- 熱伝導率と電気伝導率
- 表面状態と樹脂/金属界面の接着強度
- 酸化と接着強度
- シランカップリング剤
- シランカップリング剤処理と接着強度
- 高温保持と接着強度
- 導電性接着剤の評価
- 熱伝導率測定
- 電気抵抗測定
- 表面処理と熱伝導率
- 表面処理と疲労特性
- 曲げ負荷時の応力解析
- 導電性接着剤の伝導特性
- フィラー充填率と熱抵抗・電気抵抗
- 熱伝導解析
- 低融点金属架橋による高熱伝導化
第3部 導電性接着剤の開発と高機能化
~導電性接着剤における高機能化設計について~
(2019年9月5日 15:00〜17:00)
- 半導体実装における接着剤の位置づけ
- 接着剤の役割
- 接着剤の応力バランス設計
- 半導体実装用接着剤
- 導電性接着剤
- SMT対応接着剤併用型Sn-Biはんだペースト
- 超短時間硬化 (世界最速3秒硬化) 接着剤
- 低温 (80~120℃) 硬化/高信頼性アンダーフィル
- 一液性60℃/30分硬化接着剤
- その他高機能接着剤
- 高信頼性接着剤
- ノンフローアンダーフィル
- マイクロカプセル型異方導電性接着剤
- 融点変化型導電性ペースト
- 低発ガス接着剤
- エンプラ用高強度接着剤
- 接着剤適用時の注意点と不具合について
- 剥離不良
- 接合信頼性に影響を及ぼす要因