本セミナーでは、乳化について基礎から解説し、乳化剤の選択、乳化剤の組み合わせ、配合順序、安定性評価等の乳化技術の応用について詳解いたします。
乳化技術は化粧品をはじめ、食品、医薬品、トイレタリー製品、化学品等の広範囲な産業分野で注目されている基盤技術の一つであるといっても過言でない。この乳化技術は、主として『乳化剤の合成技術開発』、『乳化剤の選定・最適化評価技術』、及び『乳化 (プロセス) 技術および製剤の安定化評価技術』といった要素技術から構成されている。「乳化剤の使いこなし方」はエマルションの製造、製品の安定化に極めて重要な役割をはたしている。しかし、この『乳化剤の使いこなし方』はとにかく、個人的な経験に依存しているため、任意性が大きく、課題解決に障害となる場合が見受けられる。 本講義では、「乳化」の性能・機能に関わる指標値を駆使し、科学的な視点から、乳化剤の選択、乳化剤の組み合わせ、配合順序、安定性評価等の乳化技術の基礎と応用を習得する事を目的とする。講義で用いた各指標値は単に乳化現象に留まらず、広く、洗浄、分散、可溶化等の界面現象に展開できる。今回は特に、研究者および生産現場でも同じ技術概念でコミュニケーションが図れる事を目的として、指標値に関わる算定式は出来るだけ簡便で、実用的かつ基礎研究にも十分に耐えるものを選定した。本講が安定かつ高品質の製品の生産かつ、乳化製剤の効率的な開発の一助となれば幸いである。