(2019年8月23日 10:00〜11:30)
炭素繊維強化樹脂 (CFRP) において、炭素繊維 – 樹脂間の界面接着力は、その力学物性を左右する重要な因子である。近年では炭素繊維強化熱可塑性樹脂 (CFRTP) の開発が進められる中で、化学反応を伴わない成形工程中に炭素繊維 – 熱可塑性樹脂間で高い界面接着力を実現することは難しく、界面の重要性が再認識されつつある。本講座では、CFRPの最近の研究動向を紹介するとともに、CFRPにおける界面の考え方を解説する。また、界面接着の評価手法や最新の界面の制御手法についても紹介する。
(2019年8月23日 12:10〜13:40)
炭素繊維強化プラスチックを含む繊維強化複合材料全般の中での界面破壊の位置づけや必要性、その発生理由などを紹介したうえで、界面破壊の発生を決める力学的指標として、界面強度と繊維強度とのいわゆる兼ね合いから決まる臨界繊維長を中心に紹介する。さらに亀裂の力学である破壊力学の視点から見た場合の界面破壊の考え方を中心に、その測定方法や簡単な範囲でのシミュレーション方法を紹介する。さらに界面破壊の力学的な防止方法の事例をいくつか紹介し、界面破壊の重要性を紹介する。 繊維強化複合材料全般の中での界面破壊の重要性やその指標としての臨界繊維長、および界面破壊を界面での微細欠陥から進展する亀裂と考えた場合の破壊力学的な指標の使用方法などを修得して頂ける。
(2019年8月23日 13:50〜15:20)
炭素系ナノ材料のCNTを用いて、CFRP内部の界面制御を行うことで、得られるCFRPの物性変化とその発現機構について解説する。
(2019年8月23日 15:30〜17:00)
炭素繊維強化プラスチックス (CFRP:carbon fiber reinforced plastics) は、優れた力学的性質 (比強度や比弾性) や熱的性質 (低熱ひずみ) を有し、航空宇宙産業をはじめとして多くの産業分野で使われ始めている。炭素繊維の構造、表面状態、炭素単繊維の強度、炭素単繊維 – 樹脂の界面の強さおよび複合材料としての層間剪断の強さを理解することはCFRPを製品に適用する上で非常に重要な基礎的な情報である。本節では市販炭素繊維の構造、表面状態の分析結果、炭素単繊維の強度、炭素単繊維 – 樹脂の界面強度、複合材料としての剪断強度に関する評価手法および評価結果について述べる。