本セミナーでは生分解性プラスチックについて、基礎研究から技術・事業開発まで約30年間に及ぶ実績と知見を有する世界的第一人者が、生分解性プラスチックの基本特性、材料設計、成形加工、市場動向、最新の法規制動向を解説いたします。
素材や製品の環境負荷低減効果に関して明確な根拠を示さずに誇大宣伝 (虚偽やミスリード) をするグリーンウォッシングが問題となっている。現下の海洋プラスチック汚染問題に関しても、生分解性プラスチックは海洋汚染問題の解決に寄与しないという間違った情報が流される一方、巷ではプラスチック製から紙製ストローへの変換にみられるような脱プラスチック論が台頭しつつある。 ところで、これまで海洋には太古の昔より大量の流木や草本類が流れ込んでいるが、これらはプラスチックと同様に相当な時間をかけてマイクロチップ化を経て完全に分解消滅していると考えられる。私達は海洋プラ汚染問題を解決する生分解性プラの材料・製品設計において、海水中での分解速度の速さを競うような軽薄にして短小な論理から早期に脱却し、自然界の叡智である天然の生分解性構造材料としての木材や草本類の植物細胞壁成分であるリグノセルロースに学ばなくてはならない。 本講では海洋プラ汚染問題の正しい理解を出発点とし、その上で生分解性プラの存在意義と役割を再認識し、今後期待される応用展開を皆様方と共に考える場としたい。
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