第1部 自動運転のヒューマンファクターとその課題
(2019年8月5日 10:00〜11:30)
自動運転の実現に向けて、ユーザーとのインタラクションを適切にデザインすることが重要です。取り組むべき課題は、想定するシステムにおける自動運転のレベルによって異なりますが、もはやレベル2は解決した、ということでは全くありません。どのレベルのシステムをどの範囲に適用していくかで、問題はまた違ってきます。自動運転にかかわっていらっしゃる技術者の皆様も、様々なレベルに対して取り組んでおられるでしょうし、今後変わっていくだろうと思います。この講義では、できるだけ幅広く、課題を整理して提示しようと思います。
- はじめに:自動運転のレベルについて
- レベル2における課題
- ドライバーが持つべき知識
- Human Machine Interface、とくにOEDRに関して
- ドライバモニタリング
- レベル3における課題
- なぜレベル3では運転交代要請が問題になるか
- ユーザーが持つべき知識
- Human Machine Interfaceと運転交代要請
- Minimal Risk Maneuver
- レベル4,5における課題
- ドライバーを不要とするシステムはドライバーを排除すべきか
- 他の交通参加者とのインタラクション
- いわゆる外向けHMIは本当に必要なのか
- まとめ
第2部 自動運転へ向けた直観的なユーザーインターフェイスの開発
(2019年8月5日 12:10〜13:40)
車載HMIは、これまではユーザーが車を操作するために必要なものでした。前提として、ユーザーが車の機能や操作方法を熟知しておく必要がありました。今後は、操作方法や詳しい機能を知らなくても直観的に使えるようになり、車とユーザーが対話しながらユーザーの目的を達成できるものに変わっていきます。そのために必要な機能や開発手法、ソフトウェアアーキテクチャの動向などを紹介します。
- 直観的なユーザーインターフェースについて
- ホリスティックHMIとは
- 車載ユーザーインターフェースの将来の動向
- 直観的なユーザーインターフェースに必要な機能
- 拡張現実ヘッドアップディスプレイ
- パーソナルアシスタント
- マルチディスプレイ
- ソフトウェアアーキテクチャの将来の動向
- ハイパフォーマンスコンピューティング
- マルチディスプレイサポートアーキテクチャ
- アンドロイドプラットフォーム
- 直観的なユーザーインターフェースの機能開発
- AR HUDのHMI
- 様々なクラウドアシスタントの対話システム
- 将来のビジネスモデル
第3部 自動運転に求められる人間中心HMIのデザインと実装
(2019年8月5日 13:50〜15:20)
自動運転時代には今以上にますますHMIの利用時品質が重要な指標となる。高い利用時品質の実現にはデザインとエンジニアリングの両面からの取り組みが欠かせない。現在のHMIが抱える問題点を示すとともに、デザインエンジニアリングの手法でいかに自動運転時代に適した、利用時品質の高いHMIを実現する手法を解説する。
- はじめに
- UI/UXの最近の動向
- デザインエンジニアリング
- 利用時品質
- 安心と安全
- コミュニケーションをデザインする
- 人を知る
- 適応型HMI
- HMIのデザインと実装
- これからの開発プロセス
- 開発ツールの活用
第4部 車載HMIの人間工学設計と自動運転へ向けた取り組み
(2019年8月5日 15:30〜17:00)
自動車のHMIに求められる本質的な要件を、歴史を振り返りながら概説します。さらに現代のHMIのトレンドや開発されつつある技術をもとに自動運転時代の将来のHMIを展望します。
- 自動車のHMIに求められること
- 車載HMIの歴史
- ユーザビリティとHMI
- ディストラクションとHMI
- 現在のHMIのトレンド
- HMIを革新する新技術
- 自動運転にもとめられるHMI
- HMIの将来展望