第1部 金属-空気電池の固体電解質の開発とイオン電導性の向上
(2019年7月25日 10:00〜11:30)
次世代リチウムイオン電池と目されている全固体電池・Li空気二次電池に使用されるであろう電極・固体電解質材料には、いくつかの候補物質が開発のしのぎを削っている。本講演では、高純度酸化チタンの50年以上にわたる販売実績を持つ東邦チタニウムで長年培われてきたチタン酸化合物開発の技術を生かした、固体電解質LLTOの開発を通し、固体電解質及びその改善に関する知見・ヒントが得られる。
- 会社紹介
- 固体電解質・次世代電池の市場・開発状況
- 用途分野別LIB市場展望
- 固体電解質材料
- ロードマップ及び全固体電池開発状況
- 東邦チタニウムのLIB材料開発の取り組み
- LLTOの紹介
- ぺロブスカイトの特徴
- LLTOのリチウムイオン伝導メカニズム
- 製造方法
- 機械的特性
- リチウムイオン伝導度
- リチウム空気二次電池の電池特性
- 資源
第2部 レアメタルを使用しない酸素還元用カーボン系触媒材料の開発
(2019年7月25日 12:10〜13:40)
本講座では、液相中のプラズマを利用したカーボン系触媒材料の開発に関する講演を行う。本プロセスは、液相中で低温のプラズマを生成させることができるため、従来の液相中のプラズマでは困難であった、化学反応の精密制御が可能である。このため、本プロセスは各種材料の合成技術への展開が可能である。また、合成したカーボン材料の特性評価と触媒特性の評価法についても紹介する。
- カーボン系触媒材料の開発の必要性
- カーボン系触媒材料の合成法
- ソリューションプラズマ (液相中の低温非平衡プラズマ) プロセス
- 従来の液相プラズマとの違い
- ソリューションプラズマの利点
- ソリューションプラズマによるナノ材料の合成例
- ソリューションプラズマによる異種元素添加カーボン材料の合成
- 異種元素添加カーボン材料の物理化学的特性評価
- 異種元素添加カーボン材料の酸素還元反応に対する触媒特性
- ソリューションプラズマによるカーボン系複合材料の合成
- カーボン系複合材料の物理化学的特性評価
- カーボン系複合材料の酸素還元反応に対する触媒特性
- 合成したカーボンを利用したLi空気電池の構築と性能評価
第3部 アルミニウム-空気電池の二次電池化について
(2019年7月25日 13:50〜15:20)
- 次世代蓄電池に向けた研究開発
- アルミニウム-空気電池の特徴と構造
- 特徴
- 基本構造
- 問題点
- 新規構造を有するアルミニウム-空気電池
- アルミニウムイオン伝導体を中間層として検討
- 多孔性酸化物体を中間層として検討
- 多孔性炭素材料、セラミック材料を中間層として検討
- イオン液体を用いたアルミニウム-空気電池
- イオン液体を用いたアルミニウム-空気電池の性能
- イオン液体を用いたアルミニウム-空気電池の二次電池化への検討
- 窒化物、炭化物空気極を用いたイオン液体を用いたアルミニウム-空気二次電池
第4部 金属-空気電池の充放電特性の数値シミュレーションと改善指針
(2019年7月25日 15:30〜17:00)
金属-空気電池の充放電特性やリサイクル特性の改善には、電極構造や材料物性の最適化が重要です。本項目では充放電特性を、電極のメソ構造や材料物性、および電解液物性を考慮して数値解析する方法と適用例を紹介します。また、第一原理計算や分子動力学法などの分子構造に基づいたシミュレーション方法を利用して、充放電特性を材料レベルから評価するマルチスケール・シミュレーション解析法についても説明します。さらに、充放電特性の改善に重要な空気極のORR触媒探索に有用なマテリアルインフォマティクスの方法と適用例についていも紹介する予定です。
- 金属-空気電池の電極構造と充放電評価
- 電極構造のメソ構造モデル
- 充放電特性の解析モデル
- 電極構造の充放電特性への影響評価
- 有機電解液と充放電特性
- 分子構造モデルと評価方法
- 電子と分子構造の評価シミュレーション方法
- 有機電解液の充放電特性への影響評価
- 空気極での反応と充放電特性評価
- 電極上でのORRの第一原理分子動力学法計算
- 電極の過電圧の理論的評価
- 電極反応の充放電特性への影響評価
- マテリアルスインフォマティクスによるORR触媒候補の探索