第1部. がん化学療法/放射線治療による口内炎モデル動物の作製と活用
(2019年8月6日 10:00〜12:00)
がん治療の副作用の一つである口内炎はがん化学療法時の30~40%、頭頸部放射線療法時のほぼ全例に発症し、患者のQOLを著しく低下させる要因となっている。しかし、現在のところ有効な治療薬剤はなく、臨床では局所麻酔や鎮痛・抗炎症薬による対症療法が行われているに過ぎない。本セミナーではがん治療に伴う口内炎の病態と、その解明および治療薬の創出に必要な評価系 (動物モデル) を紹介する。
- がん治療と口内炎
- がん治療の内訳
- 口内炎を起こしやすい抗がん剤
- 放射線治療による口内炎
- 口内炎発症のメカニズム
- 口内炎治療の現状
- 国際的ガイドライン
- 本邦における治療薬
- 病院・薬局製剤
- 動物モデルを用いた口内炎治療薬の評価
- 動物モデルの種類とメリット・デメリット
- 抗がん剤誘発口内炎モデル (ハムスター)
- 放射線誘発口内炎モデル (マウス、ハムスター)
- 治療薬の応用とその評価
第2部. がん治療副作用の口内粘膜炎の現状と対策 ~腫瘍内科医から~
(2019年8月6日 12:45〜14:45)
がん治療における口腔粘膜炎は患者の生活の質を低下させる重大な副作用である。 口腔粘膜炎の原因、病態、患者に与える影響、実臨床でどのように予防し治療をおこなっているのかを具体例をあげて説明する。
- がん治療の現状
- がん治療におけるチーム医療とは
- 口腔粘膜炎の病態と原因
- 口腔粘膜炎が患者に及ぼす影響
- 口腔粘膜炎の予防
- 口腔粘膜炎の治療と問題点
第3部. 口腔粘膜炎の診断と治療・管理
(2019年8月6日 15:00〜17:00)
- 緒言
- 口腔粘膜炎の対応 (予防・治療)
- 発症機序を踏まえた対応
- がん臨床における口腔粘膜炎の対応の基本戦略
- 各ガイドラインにおける対応の基本戦略
- 臨床の現場での実際
- これから期待される口腔粘膜炎の対応
- 粘膜保護剤
- 半夏瀉心湯
- 味覚・食感を損ねない、新しい長時間作用型口内炎疼痛緩和薬
- 今後の課題
- まとめ