においの定量化、見える化が、すんなりいかない理由として、官能評価では、視覚などの他の五感の情報に左右されやすい問題、主観的な情報を完全には失くせない問題がある。また、GCMSなどの機器分析では、濃度がかなり薄くてもにおいがする物質がある一方で、全くにおいがしない成分があり、どの濃度からにおいがするかは成分ごとにばらばらで、物質の構造式からはどの濃度からにおうかが分からない問題、また嗅覚が成分の濃度の対数量に比例して強さを感じる問題がある。さらに一番多くのケースで問題になるのは、いくつかのにおい成分が混ざることによりにおいを作っている複合臭の場合で、この場合には、全体のにおいにはほとんど寄与しないにおい成分が出てくる問題、また全体においからは想像もつかないにおいの質成分が大きく寄与している問題、多くの微量成分が集まって全体のにおいに寄与している問題がある。
本セミナーでは、これらの問題が起こる理由について、嗅覚メカニズムも含めてやさしく説明し、これらの問題の本質を見据えた上で、それらの問題に対処しながら『においの見える化』を実現する方法について、できるだけ平易に説明する。
- においの形態
- ガスとにおいの違い
- においの種類としての異臭、悪臭、複合臭の違い
- 嗅覚の検知メカニズムから見た複合臭の特長
- 複合臭の特徴とその具体例
- 嗅覚的ホワイトといわれているものは?
- 複合臭の分析方法としてのオミッション法
- 複合臭の特徴であるマスキング現象
- 人の嗅覚メカニズムとは
- 嗅覚メカニズムから複合臭を考える
- においの単位
- におい物質濃度とそのにおいの強さの関係
- においの強さの単位
- 検知閾値、弁別閾値とは
- におい質の単位は?
- におい物質とにおいの種類
- 最低どれくらいのにおいがあれば全体のにおいが表せるのか
- 官能によるにおい質の表現とQDA法
- オルソゴナルなにおいとレトロネーザルアロマとは
- においの定量化方法
- においの定量化の歴史
- 日本における悪臭防止法
- 悪臭22物質
- 日本と海外のにおいの強さの決め方の違い
- においの定量化方法の種類
- 実際の官能評価法
- 分析型官能評価と嗜好型評価の違い
- 官能評価の種類とばらつきを低減させる工夫
- 装置を用いた官能評価
- 機器分析の種類と特徴
- 成分分析 (GC,GCMS) 装置
- 原理と応用
- 2次元GC,GCMSとメリット
- 成分分析に使われるサンプルの濃縮方法の種類と比較
- 複合臭・複合香における成分の単離・同定方法
- におい嗅ぎGC,GCMSとその応用
- 1個のセンサを利用したにおいとは
- におい識別装置
- 異臭・悪臭の定量方法
- 異臭の場合 異臭分析システム (GCMS) の利用による異臭物質特定
- 悪臭の場合 希釈混合装置を用いた臭気指数測定
- におい識別装置を用いた臭気指数測定
- 自動車室内臭の測定
- 複合臭の定量化のアプローチ
- 複合臭の主なにおい成分を求めるのか、それとも官能評価での違いを明らかにしたいのか?
- 成分分析で、複合臭の香気を再現した例
- におい識別装置を用いて複合臭を評価するメリット
- におい識別装置を用いた複合臭の分析例
- においの近さ度合いを求める。複合臭中の複合臭を切り取る。
- においの強さ (臭気指数) を求める。
- 複合臭に対する最近のアプローチ
- 自動オミッション法による方法
- オミッション法の難しさと自動オミッション法
- 自動オミッション法のメリット
- 自動オミッション法の実例
案内割引・複数名同時申込割引について
シーエムシーリサーチからの案内をご希望の方は、割引特典を受けられます。
また、2名以上同時申込で全員案内登録をしていただいた場合、1名様あたり半額 (税込 22,000円)となります。
- Eメール案内を希望する方
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 40,741円(税別) / 44,000円(税込)
- 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 40,741円(税別) / 44,000円(税込)
- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 61,111円(税別) / 66,000円(税込)
- Eメール案内を希望しない方
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 45,370円(税別) / 49,000円(税込)
- 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,741円(税別) / 98,000円(税込)
- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 136,111円(税別) / 147,000円(税込)
アカデミック割引
- 1名様あたり 23,148円(税別) / 25,000円(税込)
学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。