分析法バリデーションは医薬品をはじめ化粧品、食品の製造販売に、また、環境検査などでも信頼性の高い結果を得るために不可欠な概念です。しかし、それを理解するには統計学的な知識が必要として、いささか敷居の高いものとみなされています。本セミナーは初学者でも納得できるように、分析化学の実験を行う場合に求められる基本的な知識から分析能パラメータを解説し、解析に用いる統計法は表計算ソフトを活用して、分析法バリデーションの概念を自身でイメージできるようになることを目指すものです。最終的には分析法バリデーションを身に付けて、自身の立場で要求される必須水準や項目を設定できるようになることです。
本セミナーは最も基本となる医薬品の化学分析を中心として進めますが、化粧品や食品はもちろん、他の分析でも有用です。
- 医薬品GMPと分析方法の信頼性確保
- 医薬品の製造管理や品質管理はGMPに基づいて行われており、その評価に用いる試験法及び分析法におけるバリデーションの意味と意義を学びます。語句や知識の理解ではなく、概念を理解して意図する基礎を学びます。
- GMPにおけるバリデーションと分析法バリデーション
- 分析方法における信頼性の確保
- 分析法バリデーションの対象と要求
- データインテグリティの重要性
- 文書化と指摘事項
- 開発段階における分析法バリデーション
- 分析法バリデーションのための統計基礎
- 分析法バリデーションでは評価する必要があり、分析法バリデーションを評価するためには分析能バラメータを用います。
その根拠となる数値的な比較が不可欠ですが、それには統計的な数値を用いることになります。
- 基本的な統計量
- Excelで求める統計量
- 母集団と標本
- 回帰分析と検量線
- 区間推定と信頼区間
- 分散分析と精度試験
- 分析能パラメータの概要
- 分析法バリデーションを評価するためにはパラメータが必要となります。
そのパラメータの定義と意義を学びます。
また、製造承認書における規格及び試験方法ではどのようなパラメータが必要となるかを学びます。
- 試験タイプにより必要となる分析能パラメータ一覧
- 特異性、直線性、範囲、真度、精度、検出限界、定量限界
- 安定的な分析を確保するための条件が頑健性
- 分析能パラメータの評価基準
- 機器分析システムの適格性評価と分析方法の信頼性確保
- 分析方法の信頼性を確保するための設備や装置のクオリフィケーションを解説します。
HPLCの測定パラメータとクオリフィケーションを分析法バリデーション及びその分析能パラメータを具体的に学びます。
- 分析装置の適格性評価
- HPLCにおける測定パラメータ
- HPLCの適格性評価
- HPLC分析における分析能パラメータ
- 分析法に用いる各種測定方法
- 試験法の種類と分析能パラメータ
- 分析法バリデーションを評価するためには試験法よって分析能パラメータが異なります。
なぜ、その分析能パラメータが求められるのかを、具体的にHPLCを事例として基礎から理解したいと思います。
さらに、HPLCのシステム適格性を設定するための分析能パラメータについても学びます。
- 試験法タイプと分析パラメータ
- タイプⅠ (試確認験) のパラメータ
- タイプⅡ (純度認験:定量試験) のパラメータ
- タイプⅡ (純度認験:限度認験) のパラメータ
- タイプⅢ (定量法) のパラメータ
- 室内再現精度の変動要因
- システム適合性試験と分析能パラメータ
- 分析法バリデーションを担保する基盤事項
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