建物・鉄道・自動車などで快適な音空間を追求するとき、吸音と遮音は必須項目であり関連の基礎事項を理解することが重要となります。この理解があって初めて有効な吸音・遮音構造体の選択、あるいは新たな構造体を創り出すことも可能になります。当講座では「なぜ吸音するのか」「遮音のメカニズムは何か」といった物理現象とその測定法について「初心者でも容易に理解できる」に重点を置いて解説します。
第1部 セミナー「吸音・遮音のメカニズムと測定についての基礎講座」
(10:00~11:30、12:15~13:45)
- 身の回りの音と振動の実態
- 音の基礎事項
- 音の物理と心理的効果
- 音って何?
- 音の大きさ
- 音の高さ
- 音色
- 音の反射・吸収・透過
- 吸音の基礎理論
- 吸音とインピーダンス
- 吸音のメカニズム
- 多孔質型吸音
- 板・膜振動型吸音
- なぜ吸音する?
- 吸音を表現するモデル
- 通気性の影響
- 共鳴器型吸音
- 吸音率の測定
- 音響管による測定
- 残響室法による測定
- 残響
- 残響理論
- 残響理論に基づく吸音の減音効果
- 遮音の基礎理論
- 遮音のメカニズム:隙間のない壁体をなぜ音が透過する?
- 空気音の遮音
- 一重板の遮音理論
- 二重板の遮音理論
- 空気音の遮音性能測定と評価
- 個体音と床衝撃音の実態と対策
- 音の測定と信号処理の基礎
- 音響測定一般
- 信号処理の基礎
第2部 施設・デモ見学
(14:30~16:30)
- 場所 日本音響エンジニアリング 株式会社 音響研究所
施設見学内容
- 小型残響室 – 無響室計測システム (製品名:AbLoss)
- 自動車用途で用いられる防音材の平板状態での音響性能 (残響室法吸音率および音響透過損失) を測定するシステムです。設備の概要および吸音率と透過損失を実際に測定する様子を見学していただく予定です。
- 残響室法吸音率 (サンプルサイズ:1m×1m)
- 音響透過損失 (サンプルサイズ:1m×1mないしは60㎝×60㎝)
- 大型残響室、無響室
- 車両 (乗用車) が入るサイズの残響室および無響室です。ここでは車両および建築材料のさまざまな音響試験を行います。
実際に設備を見学していただき、それぞれの実験室でどのような試験・評価がなされるかを口頭および簡単な資料でご説明いたします。
※諸事情により多少見学内容が変更になる場合がございます。
スケジュール
- 9:30 商工情報センター 9F 会議室にて受付開始
- 10:00〜11:30 セミナー
- 11:30〜12:15 昼食 (弁当)
- 12:15〜13:45 セミナー
- 13:45〜14:30 貸切バスで移動
- 14:30〜16:30 施設・デモ見学
- 16:30〜17:15 貸切のマイクロバスで移動
- 17:15 JR錦糸町駅付近にて解散
※解散時間は多少前後する可能性がございますので、あらかじめご了承ください。