本セミナーでは、不確実性の高いイノベーションの成功確率を高めるイノベーション戦略とその主要な手法であるOODAループについて解説いたします。
イノベーションという現象は、死屍累々、失敗のなかからわずかに成功するもので、成功確率がきわめて低いということが特徴です。多くの成功したイノベーションは、社長以外全員反対、というなかで断固として推進されたものです。ただし、社長以外全員反対すれば必ず成功するかといえばそうではなく、むしろ、殿ご乱心、ということのほうが多いといえます。このような不確実性の高いなかでイノベーションのマネジメントは、従来の経営管理とは異なったアプローチが必要です。それは、イノベーションの成功確率を高めることに主眼をおいたアプローチです。問題は確率であり、結果ではありません。失敗したとしても、イノベーション確率を高める手が打たれていたかどうかが問われるのです。 本講義では、このイノベーション確率の最大化という観点から、イノベーション戦略を取り上げます。特に、その主要な手法として、OODAループという考え方を紹介し、イノベーション管理にどのように活用できるのかについて議論していきます。そこでのポイントは、OODAループを高速で回転させることにより、イノベーション確率を高めていくことです。そのための基本的な考え方や方向性について考察していきたいと思います。