多くの身の回りの製品はその用途と目的に適った剤型に設計されています。その中で、可溶化製剤やエマルション製剤は多くの製品に利用されていますが、安定性のような悩ましいトラブルにしばしば直面します。本セミナーでは、エマルションのような液 – 液分散系のトラブル解決を前提に、可溶化・乳化の基本的な性質とその構成物質について解説し、具体的な製剤化技術や安定性評価法などのコツやヒントを視覚的に分かりやすく説明します。
本セミナーは一つ一つの分野を深く掘り下げるものではなく、できる限り多くのキーワードを概説し、可溶化・乳化を学んだことがない初学者が専門書を自身で読み解けるように考え方を習得してもらいます。
- コロイド分散系
- コロイドとは
- 乳化系と可溶化系の違い
- エマルションの種類
- コロイド分散系と熱力学
- コロイド分散系を構成する物質
- 乳化剤の種類と役割
- Short Break:分散滴のサイズは見た目で分かる?
- 乳化・可溶化のための界面活性剤基礎知識
- 界面活性剤の化学構造と分類法
- 界面活性剤の基本的性質 (界面科学)
- 界面物性と臨界ミセル濃度
- 吸着・分散・可溶化・乳化・起泡
- 溶液中の界面活性剤の挙動
- クラフト点と曇点
- 自己組織体の形成
- 界面活性剤の性質を規定するパラメーター
- 親水性 – 親油性バランス (HLB)
- 臨界充填パラメーター (CPP)
- 界面曲率
- 界面活性剤の性質に影響する因子
- Short Break:身の回りの界面活性剤の名前のアレコレ
- 相図から見る乳化の本質
- 相図の基本的なルール:相と相律
- 界面活性剤系特有のルール:相の連続性 (Phase Sequence)
- 界面活性剤/水の2成分系の相図の読み方
- 界面活性剤/水/油の3成分系の相図の読み方
- 多成分系の相図:4成分以上の相図の描き方
- 相図中の可溶化領域と乳化領域
- 乳化理論とエマルションの調製技術
- エマルションの安定性と不安定化機構
- クリーミング
- 凝集
- 合一
- オストワルド熟成
- エマルションを安定化するための基本原理
- 機械力による安定化技術
- 乳化剤の性質を活かした安定化技術
- 転相 (温度) 乳化法
- 液晶乳化法
- D相乳化法
- 界面制御を利用した最新の乳化技術
- Short Break:マイクロエマルションとナノエマルションの勘違い
- 乳化・エマルションの関連評価技術
- 表面 (界面) 物性
- 自己組織体構造の同定
- エマルションタイプの判定方法
- エマルションの物性評価方法
- エマルションの安定性評価方法