高分子材料は工業用途、日常用途として幅広く用いられている。しかし新規材料を開発するときあるいは材料の物性改善を行う時には、開発方針を立てる必要があります。そのためには詳細な分子構造解析を行う必要があり、分析手法ばかりでなく高分子構造の知識を修得することが必要不可欠です。
本講座では高分子の分子構造ついての基礎知識と最新の分析手法による評価法について述べると同時に高次構造が物性とどのように関係づけられるかを述べます。その結果、材料開発、物性改善に役立つヒントが得られることを期待しています。
- 高分子の歴史的背景
- 1920年代の高分子という概念の確立
- 高分子という概念がなかったときの高分子材料開発? (セルロイドなど)
- 戦後の高分子材料の発展
- 高分子の結晶と高次構造
- 分子量と分子量分布
- ポリオレフィンの立体規則性
- 結晶の高次構造 (房状ミセル、ラメラ、球晶)
- 相構造 (結晶、非晶、中間相)
- キャラクタリゼーション
- SECによる分子量測定の原理と注意点
- 粘度法、光散乱法による分子量決定
- ポリオレフィンの立体規則性の定量
- 結晶化度
- 熱分析 (結晶化度、ガラス転位点、融点とラメラ長の関係)
- X線、密度法による結晶化度測定
- 固体高分解能NMR
- NMRの基礎
- 液体測定と固体測定の違い
- 固体NMRの応用~結晶、非晶、中間相の評価~
- X線による分析
- X線広角散乱 (WAXS) と結晶構造
- X線小角散乱 (SAXS) と長周期
- 中性子小角散乱 (SANS)
- 赤外分光法による構造解析と定量法
- ランベルト・ベールの法則
- 対称性と因子群解析
- 吸光係数と定量 (水素結合、架橋度の解析例など)
- 分子構造と力学物性
- 応力 – ひずみ曲線
- 力学物性を決める要因