本セミナーでは、自動車室内環境の「快適さ」について基礎から解説し、快適にするためのアプローチ、快適にするための技術とその技術動向について、3名の講師がそれぞれの立場から解説いたします。
(2019年6月11日 10:30〜12:30)
自動車などの輸送機器において、複雑で非定常な温熱環境下に置かれた乗員の温熱的な快適性を評価するためには、温熱環境の物理的なパラメータを適切に把握したうえで、人体の温熱生理反応を把握する必要がある。しかし、それらを実験的に計測するためには、多種にわたる項目の計測と多くの被験者が必要となるため、工業製品の開発に適さない。このため、人体の温熱生理反応を予測する人体熱平衡モデルは、そうした問題点を解決する有効な手段であり、これにより初めて開発に寄与できる評価が可能となる。本講座では、そうした予測を用いて設計開発を行う技術者にとって不可欠となる基礎知識の習得を狙いとしている。
(2019年6月11日 13:20〜14:50)
夏は涼しく冬は温かい、快適な移動空間を提供してくれる自動車であるが、空調が作動していないとその車内は過酷な環境となる。真夏の炎天下に駐車された自動車内に残された子供やペットが車内温度の上昇により熱中症を引き起こし、それが原因となり死亡する事故が多発している。 本講座では、日射をうけた自動車車内の温度が日中に高くなる機構を解説し、車内温度上昇の原因であるウィンドウカラスから入射する赤外線を反射することによる温熱環境の改善について解説する。
(2019年6月11日 15:00〜17:00)
電気自動車や48ボルトマイルドハイブリッド車などの出現による駆動源がダイナミックに変遷にともない、自動車の熱マネジメントも大きく変貌しようとしている。特に空調関係は、暖房熱源が不足することにより、変化せざるを得ない状況になっている。このため駆動源の変遷および空調関係の技術の変化について説明する。 また、自動運転が徐々に実用化しており、運転負荷が小さくなることで、空調快適性の重要度がますます高まりつつある。このため自動運転にともなう必要技術の解説をおこなう。