第1部 異種材料接着・接合の応力発生メカニズムと接着性の評価
(2019年7月12日 10:00〜12:30)
自動車産業、航空・宇宙産業、エネルギー産業などの分野で使用される高強度の接着剤 (エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤) や、高耐熱性セラミック系接着剤を用いて金属を接着した場合に生じる応力分布について、解析のみならず、実験結果も含め、強度設計の立場から力学的な諸問題をわかりやすく解説します。
- 接着に関わる諸因子
- 温度の影響 ~常温から1000℃まで使える接着は可能か~
- 金属の種類による接着性の違い ~つけたいものは何でできている?~
- 樹脂 – 金属の接着のメカニズム
- どのように剥がれるのか。
- どうすれば剥がれにくくなるのか。
- 接着にかかわる表面、界面
- 接着接合部の破壊形態の種類
- 接着接合部の表面と破断面の微視的観察
- 接着強度の試験法
- 強度設計のために知っておきたい応力発生メカニズム
- 接着継手の力学的評価に欠かせない情報は何か
- 応力解析に必要な物性値の測定技術
- 応力解析の手法と具体例
- 壊れないための強度設計法と応用事例
第2部 樹脂 – 金属接着の制御とトラブル対策
(2019年7月12日 13:15〜14:45)
近年、生産のグローバル化が加速する中、材料、部品、設備のばらつきにより、ものづくり品質を確保することがますます難しくなってきています。接着・接合は、ものづくり工程の中で付加価値を生み出す工程であるものの、コントロールが難しく依然としてトラブルが多い工程です。
本講座では、接着剤の開発、接着工程の開発、さらには海外の現場への技術定着業務の経験を通じて得た、材料開発者の視点、商品設計者の視点、工程設計者の視点、現場監督者の視点から、接着品質を確保する方法を説明します。顧客のニーズを把握したい材料開発者の方、接着剤を基礎から知りたい商品設計者の方、現場で接着品質を確保するためのポイントを知りたい工程設計者、製造現場の方に有用な内容です。
- 接着の基礎
- 接着のメカニズム
- 接着に必要な条件
- 接着剤の種類と特徴、注意ポイント
- 接着の制御方法
- 被着体前処理のポイント
- 塗布工程の制御ポイント
- 硬化工程の制御ポイント
- 接着のトラブルと対策法
- 商品設計におけるトラブルと対策法
- 製造工程におけるトラブルと対策法
第3部 異種材料の有限要素法を用いた応力解析、シミュレーションと強度評価
(2019年7月12日 15:00〜17:00)
- 種々の異材接合継手の強度は接着界面の平均応力では表現できない。
- 接着界面端部に生じる特異応力場の強さ ISSF と ISSF を用いて接着強度を評価できることを示す。
- ISSFを正確に求めるための考え方や簡単な計算方法を示す。
- 従来の接着強度評価法では接着剤固有の強度を合理的に評価できない。
- 重ね合わせ継手試験 (SLJ) と二重重ね合わせ継手試験 (DLJ) を用いて得られる強度は異なる。
- SLJとDLJを用いて得られる強度は異なることは、ISSFの観点から説明できる。
- 上述の観点から、同時にSLJの強度をDLJの強度に等しくするための条件を示すことができる。
- 試験片の3次元的な形状を有することの影響を明らかにし、2次元解析の妥当性を示す。
- 接着界面に生じる応力分布
- 従来の方法における接着強度評価の問題点
- 材料の組み合わせの影響
- 接着界面端部に生じる特異応力場
- 接着界面端部に生じる特異応力場 ISSF の解析方法
- 接着強度が特異応力場ISSF = 一定で表現できること
- 特異応力場による強度評価法について
- 試験片の3次元形状の影響
- 2次元解析の妥当性
- 接着層の厚さとISSFの関係
- 単純重ね合わせ接手の接着界面端部に生じる特異応力場
- 単純重ね合わせ接手の接着強度が特異応力場ISSF = 一定で表現できること
- 単純重ね合わせ接手の曲げ効果の評価について
- 従来の方法における接着強度評価の問題点
- 理想的な接着強度評価試験方法