第1部 新しい信号解析ARSと生体センシングへの展開
(2019年7月8日 10:00〜11:30)
非常に低い計算量で低い周波数を高解像度に、かつ短時間で計測する新しい信号処理ARSと、その派生型信号処理についてご説明します。その上で、私達がこれまでに行ってきたARSによる非接触生体計測の成果に基づいて、今後の可能性を探ります。
- イントロダクション
- IoTと生体センシングの現状
- IoTの現状
- 非接触生体センシング技術の概況
- 信号処理による新しいセンシングの魅力
- センサだけでなく信号処理を考える魅力
- 信号処理とはなにか
- 従来の信号処理と問題点
- 離散フーリエ変換の概観
- ウェーブレット変換の概観
- 問題点
- ARSの概略
- ARSの原理
- ARSの利点 (1) 低い計算量
- ARSの利点 (2) 低い周波数における高い解像度
- ARSの利点 (3) 低い周波数を短時間に計測
- ARSの展開 “ARSファミリー”
- GMRS
- CARS
- D – ARS
- その他
- これまでの実験結果
- 変化する生体情報の計測
- 複数の人の同時計測
- 動物を対象とした実験
- 鶏
- 牛
- まとめ
第2部 マイクロ波ドップラーセンサを用いた車載応用非接触心拍変動モニタリング技術
(2019年7月8日 12:10〜13:40)
高齢化の進行により、今後心血管疾患の増加が予想されています。生体信号の計測によって心血管疾患を早期に発見することができれば、事故の防止や健康寿命の延伸につなげていくことができます。従来の計測技術では人体表面にセンサを直接接触させる必要がありましたが、本講演ではマイクロ波ドップラーセンサに着目し、実際の計測例を交えて非接触心拍計測技術を解説します。
- 生体信号計測の基礎
- さまざまな生体信号とその計測方法
- 生体信号の応用
- 心拍変動とその応用
- 心臓の拍動
- 心拍変動
- 心拍変動の応用
- 心拍の計測技術
- 従来の計測技術 (心電図、光電容積脈波)
- 圧力・加速度センサを用いた脈波の計測
- 容量結合型心電計による心電図の非接触計測
- 動画像を用いた心拍の非接触計測
- マイクロ波ドップラーセンサを用いた心拍の非接触計測
- ノイズ対策技術
- 信号対雑音比の低い生体信号からの心拍抽出
- サンプリング誤差の補正
- 時間周波数解析
- まとめと将来展望
第3部 顔面皮膚温度分布・顔面可視画像に基づく非接触バイタルサインセンシング技術
(2019年7月8日 13:50〜15:20)
健康福祉分野において、長期的・継続的なバイタルサインモニタリングへの要求が高まっており、その実現には非接触生体計測技術が必須となります。本講演では、赤外線サーモグラフィやCCDなど現存の非接触生体センサを用いて遠隔的に計測した顔面皮膚温度分布や顔面可視画像に基づいたバイタルサインセンシングに関して、その原理、方法などを概説します。
- 生体のシステムとその計測
- 顔面皮膚温度分布と顔面可視画像に基づく生体評価
- 自律神経系活動のメカニズム
- 自律神経系活動と血行動態
- これまでの顔面皮膚温度分布に基づく生体評価
- これまでの顔面可視画像に基づく生体評価
- 顔面皮膚温度に基づく非接触バイタルサインセンシング
- 顔面皮膚温度分布に基づく生理・心理状態の日内変動モデル
- 顔面皮膚温度分布に基づく眠気判別モデル
- 顔面皮膚温度分布からの血圧に関連する特徴抽出と血圧推定モデル
- 顔面可視画像に基づく非接触バイタルサインセンシング
- 顔面脈波成分に基づく血圧推定回帰モデル
- 顔面可視画像からの血圧に関連する特徴抽出と血圧推定モデル
- 顔面皮膚温度分布と顔面可視画像を併用した非接触バイタルサインセンシング
第4部 レンジイメージングセンサを用いた非接触医用生体計測
(2019年7月8日 15:30〜17:00)
Kinectに代表されるDepthカメラによりレンジイメージングは身近な技術となってきました。レンジイメージングは、呼吸や心拍などの非接生体信号触計測や三次元内視鏡の実現に役立つ技術と考えられます。本講座では、レンジイメージングの医用生体計測への応用について紹介します。
- レンジイメージング (距離画像計測) の種類・原理
- パッシブステレオ法
- アクティブステレオ法
- TOF法 (Time Of Flight法)
- レンジイメージングによる非接触呼吸計測
- 慢性閉塞性肺疾患スクリーニングへの応用
- 代謝能推定への応用
- レンジイメージングによる非接触心拍計測
- レンジイメージングによる三次元内視鏡