第1部 材料の「配向」とは、どういう現象なのか?
(2019年7月2日 10:00〜11:30)
材料の物性は、配向状態に大きく影響されます。配向が生じる要因と配向状態に関する基礎知識について平易に解説します。また、配向状態の評価と制御方法についてもご紹介します。
- 材料の「配向性」とは何か?どういう現象なのか?
- 配向状態と種類
- 配向の要因
- 配向度
- 配向性を制御することによるメリットとコントロールする方法
- 熱的性能向上
- 光学的性能向上
- 機械的性能向上
- 配向性をコントロールする方法
- 配向性を評価解析する方法と種類
- X 線回折法
- 赤外・ラマン分光法
- NMR法
- 各種シミュレーション
第2部 フィラーの形状制御、界面制御技術による 複合材料の構造制御および複合材料特性
(2019年7月2日 12:20〜13:30)
従来の複合材料は樹脂中にフィラーを均一分散させた均一分散系を主体としているが、最近、フィラーの特性や界面制御技術を活用し、複合材料成形体の構造を制御し、均一分散系では得られない物性や機能を発現させる新しい試みが成されつつあり、この構造制御技術による複合材料 (不均一系複合材料) の幾つかを紹介し、その特性について説明する。
- フィラー形状およびモルフォロジー制御による複合材料の高性能化
- フィラー/ポリマーの界面制御による複合材料の高性能化
- フィラー特性を活用した複合材料の高機能化
- 複合材料成形体の構造制御による高性能化・機能化
- 成形加工プロセスを活用した成形体の構造制御およびその特性
第3部 高熱伝導フィラーの充填、配向制御と パワーモジュールへの適用、熱伝導性と絶縁性の両立
(2019年7月2日 13:40〜14:50)
近年、電子機器の小型化、高出力化に伴い発熱密度が増大する傾向にあり、放熱性の高い絶縁材料が求められている。本講演では、樹脂/無機フィラー複合材料における高熱伝導化技術を紹介するとともに、電子機器の中で特に高い放熱性が要求されるパワーモジュールへの応用例について紹介する。特に樹脂/窒化ホウ素 (h-BN) フィラー複合材料における高熱伝導化について紹介する。
- 電子機器の構造と高熱伝導材料のニーズ
- パワーモジュール適用例を中心に -
- 高熱伝導複合材料の基礎と応用
- 固体の熱伝導率について
- 樹脂/無機フィラー複合材料の熱伝導率
- モールド型パワーモジュールへの応用
- 複合材料の熱伝導率向上技術
- 高熱伝導フィラー (BN) の高充填化
- 高熱伝導フィラー (BN) の配向制御
- 高熱伝導絶縁シート適用パワーモジュールの放熱性の向上
第4部 異方性複合材料のシミュレーションとその応用
(2019年7月2日 15:00〜16:10)
異方性複合材料を対象としたシミュレーション手法を説明し、その応用として様々な事例を紹介する。
- イントロダクション
- 複合材料の解析手法
- 複合材料とは
- 均質化の手法
- 射出成形解析との連携
- 事例紹介
- 繊維配向を考慮した強度解析
- 繊維配向と材料モデルの合わせ込み
- 衝撃解析
- 連続繊維
第5部 磁気プロセスの原理と異方性フィラー配向制御への応用
(2019年7月2日 16:20〜17:30)
非磁性物質として取り扱われ磁場との相互作用が無視されてきた多くの有機・無機材料が比較的容易に磁場で制御できることを原理から詳細に解説し、異方性フィラーの配向制御法としての応用例を紹介する。
- 物質と磁場の相互作用
- 物質の磁性
- 磁気エネルギー
- 磁気プロセスの利点
- 磁場配向と磁気トラップ
- 磁場配向の原理
- 磁場配向させるための条件
- 磁気トラップの原理
- 磁気モジュレーターによる磁束密度制御
- 配向制御
- 繊維の磁場配向
- 有機結晶の磁場配向
- 無機結晶の磁場配向
- 位置制御
- 有機物の位置制御
- 無機物の位置制御
- 生体材料の位置制御
- 重力場とのバランスによる浮力制御効果
- 磁場による精密配向制御
- 部分配向材料への応用
- 傾斜配向を利用した磁気印刷への応用
- 放熱フィラーへの応用
- 炭素繊維の例
- 窒化ホウ素の例