新規バイオプラスチックの最新技術・市場開発最前線

再開催を依頼する / 関連するセミナー・出版物を探す
会場 開催

本セミナーでは、バイオプラスチックの基本特性、高性能・高機能化技術、材料設計技術、成形加工技術と製品・用途開発の現状と課題について基礎から応用まで解説いたします。
また、海洋プラスチック汚染の実態と生分解性プラスチックの業界動向、マイクロプラスチックに対する有効性についても解説いたします。

日時

開催予定

プログラム

今日の日本社会において、イノベーションという概念は益々その重要性を増しているにも関わらず多くの日本人は単なる技術革新と誤解し、その本質を正しく理解していないように思われる。旧来の既成概念や価値観を根底から覆す真の破壊的イノベーションは顧客の目先のニーズから生まれるのではなく、供給者自らがイニシアティブを握り顧客にはないニーズを創発することである。海洋プラスチック汚染問題に代表される地球環境・資源・廃棄物問題が顕在化した今日、新たなバイオベースのプラットフォームケミカルの開発が進展する中で、様々な新規バイオプラスチック素材群が開発されてきた。  本講では先ずイノベーションの概念の歴史的経緯とその正しい理解を踏まえた上で、新規バイオプラスチック素材群 (生分解性であるか否かは問わず) の最新技術・市場開発最前線を踏査する中で、次世代を担う真のイノベーションに値する潜在的可能性を秘めた注目の新規バイオプラ素材群を中心に論及する

  1. 第1部 イノベーション (Innovation) とは?
    - イノベーションが渇望される今こそ、多くの日本人の誤解を覚醒する
    1. J.A.シュンペーターによる「新結合」の概念提唱:「経済発展の理論」 (1912)
    2. 破壊的イノベーションと持続的イノベーション
    3. シュンペーターが意図した真のイノベーション「破壊的イノベーション」とは、 顧客のニーズに基づくのではなく顧客にないニーズを創発することである
    4. 経営の神様P.F.ドラッカーの「イノベーションと企業家精神」とは
    5. イノベーションを阻む見えない「ガラスの壁」をいかにブレイク・スルーするか
    6. C.M.クリステンセンの「イノベーションのジレンマ ー 技術革新が巨大企業を滅ぼす時」
    7. 個々の技術力に勝る日本企業が、何故事業で敗れるのか
  2. 第2部 バイオベース・プラットホームケミカルとバイオリファイナリー最前線
    - 新たな地平を切り拓くバイオリファイナリー・フロンティア
    1. バイオエタノール
      1. デンプン (トウモロコシ) や廃糖蜜 (サトウキビ) から
      2. リグノセルロース (麦や稲糖の茎、暖竹、草) から…第二世代バイオエタノール
        • 酵素生産、糖化、発酵の生化学的過程をすべて統合化したCBPとは?
        • 微生物の細胞表層に酵素などの機能性タンパク質を集積する細胞表層工学技術
    2. バイオベース・モノマー又は中間体
      • C2…エチレングリコール (EG)
      • C3…グリセリン,乳酸,1.3-プロパンジオール (PDO) ,3-ヒドロキシプロピオン酸 (3-HP) ,アクリル酸
      • C4…コハク酸,1,4-ブタンジオール (BDO) ,γ-アミノ酪酸 (GABA)
      • C6…ソルビトール,イソソルバイド,フランジカルボン酸 (FDCA) ,アジピン酸
      • C8…p-キシレン (PX) 、
      • C10…セバシン酸
      • C18…リシノール酸
        • 北海道大学が従来法の限界を突破する画期的な高効率FDCA新規化学合成法を開発
  3. 第3部 バイオプラスチックの最新動向
    - 自然淘汰の“ダーウィンの海“を泳ぎ切る本命候補は?
    1. バイオポリエチレン (bio-PE)
    2. バイオポリエステル (bio-PES)
      1. 生分解性バイオポリエステル…深刻化する海洋プラスチック汚染問題が欧州その他の使い捨てプラ使用禁止法令や市場拡大に拍車
        1. ポリ乳酸 (PLA)
          • 生分解性 (堆肥化可能なバイオリサイクル材) と長期使用耐久性 (構造材料) の両面展開が可能な唯一のバイオプラスチック
          • 第二世代ポリ乳酸…高L組成ポリ乳酸 (High %L PLA) 、%D<0.5
        2. ポリブチレンアジペート・テレフタレート (PBAT)
        3. ポリブチレンサクシネート
          • PBS
          • PBSA
        4. 微生物産生ポリエステル
          • PHBV
          • PHBH
          • 過去40年間、世界中の多くの企業が参入と撤退を繰り返し、未だ本格的に工業化されない核心的理由とは?
        5. その他
          • PGA
          • PEST
          • デンプン系
      2. 非生分解性バイオポリエステル
        1. バイオポリエチレンテレフタレート (bio-PET)
          • 従来のイソブタノール法 (Gevo) に代わるVirentのセルロース由来が主流に?
        2. ポリトリメチレンテレフタレート (PTT)
        3. ポリエチレンフラノエート (PEF)
          • 化学構造…植物由来指環式ジールのフランジカルボン酸 (FDCA) から成るバイオポリエステル
          • 基本特性…ガスバリア性 (PET対比で酸素6倍、二酸化炭素3倍、水蒸気2倍)
          • 耐熱性 (括弧内PET) …Tg/Tm (℃) : 86/235 (74/265) 、熱変形温度HDT: 76 (64)
    3. バイオポリアミド (bio-PA)
      • ヒマシ油 (リシノール酸トリグリセリド) の熱分解による化学変換
      • ヒマシ油系バイオポリアミド…PA11, PA610,PAXD10, PA10T,その他
        1. ポリアミド11…最も歴史の古い古典的なバイオポリアミド
        2. ポリアミド10T
          • 化学構造…ひまし油由来1,10デカンジアミンとテレフタル酸の重合体
          • 基本特性…超高耐熱性…
            Tg/Tm (℃) : 160/314, DTUL (1.8MPa) >300℃、低吸水率 耐薬品性、耐摩耗性、電気特性に優れた次世代スーパーエンプラ
        3. ポリアミド4…ポリアミドの中で唯一の生分解性プラスチック
        4. ポリ尿素
          • 二酸化炭素の直接的固定化とバイオマス由来ジアミンによる究極の環境配慮型素材、ポリアミドに匹敵する優れた耐熱性と電気特性
    4. バイオポリカーボネート (bio-PC)
      • 化学構造…植物由来複素環式ジオールのイソソルバイドから成るバイオポリカーボネート
      • 基本特性…光学特性、表面硬度、耐候性・耐光性、耐衝撃性や耐薬品性に優れた新規エンジニアリング・プラスチック
    5. バイオポリウレタン (bio-PU)
      1. ヒマシ油系ポリエステルポリオールを用いたbio-PU
      2. 1,3-プロパンジオール系ポリエーテルポリオールを用いたbio-PU

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
株式会社 技術情報協会の地図

受講料

複数名同時受講割引について