化粧品の官能特性や濃厚粒子の分散特性、内部構造の評価手法として活用されるレオロジー測定。
本セミナーでは、レオロジーの基礎から測定・評価手法・事例、基剤の保存安定性や口紅のうるおい感触付与への応用等について3部構成で解説いたします。
(2019年6月11日 12:30〜14:00)
乳液を肌に塗った際の塗り心地 (たれる、伸びが良いなど) 、口紅の使用感、乳化安定性や粒子の沈降、分離、泡立ちが良い、悪いなど、これまで評価が困難であった官能特性および濃厚粒子の分散特性、内部構造の評価手法としてレオロジー測定 (粘弾性測定) が注目を集めている。 本講演では、レオロジー測定の基礎と化粧品サンプルの評価手法に関して、実際の測定例を交えながら解説する。
(2019年6月11日 14:10〜15:20)
化粧用基剤として有用される界面活性剤/高級アルコールの分子集合体 (aゲル) のレオロジー特性 (流動曲線、クリープ測定、動的粘弾性) の経時変化、調製方法による諸物性の相違について概説する。 化粧・医薬用クリーム製剤の研究・製造に携わっている技術者に対して、基剤の諸物性、特にレオロジー測定方法や、レオロジー特性に関する知識が習得できる。
(2019年6月11日 15:30〜16:30)
唇は非常に乾燥しやすく敏感な部位であり、口紅において「うるおい性能」は非常に重要な性能である。これまでにも、ケア剤や塗膜の水分閉塞性、塗布ツヤ向上等によるアプローチが行われてきたが、我々は唇をすり合わせた時に口紅の「うるおい感触」を感じるという、唇ならではのアプローチに着目した。また、その「うるおい感触」はレオロジーのFlow curveにおける高せん断速度域の第一法線応力差 (N1) と相関があることが明らかとなった。しかしながら、N1を発現するポリマーは曳糸性を伴うことが多く、曳糸性を低減する必要があった。そこでN1を発現するが曳糸性が低いポリマー (セルロース誘導体) を新たに開発し、口紅製剤へ応用した。曳糸性が異なるポリマーがレオロジー挙動的にどう違うかについても解析したので紹介する。