化粧品分野におけるレオロジーの測定・評価と製品開発への応用

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化粧品の官能特性や濃厚粒子の分散特性、内部構造の評価手法として活用されるレオロジー測定。
本セミナーでは、レオロジーの基礎から測定・評価手法・事例、基剤の保存安定性や口紅のうるおい感触付与への応用等について3部構成で解説いたします。

日時

開催予定

プログラム

第1部 化粧品分野におけるレオロジー測定の基礎と測定・評価手法

(2019年6月11日 12:30〜14:00)

 乳液を肌に塗った際の塗り心地 (たれる、伸びが良いなど) 、口紅の使用感、乳化安定性や粒子の沈降、分離、泡立ちが良い、悪いなど、これまで評価が困難であった官能特性および濃厚粒子の分散特性、内部構造の評価手法としてレオロジー測定 (粘弾性測定) が注目を集めている。  本講演では、レオロジー測定の基礎と化粧品サンプルの評価手法に関して、実際の測定例を交えながら解説する。

  1. 化粧品分野におけるレオロジー測定による物性評価
  2. 粘弾性測定とは
    1. 粘弾性・粘弾性体とは ~身近に存在する粘弾性物質~
    2. 従来の粘度特性評価機とは ~回転粘度計の特徴と限界~
    3. 粘弾性測定装置とは ~最新の粘弾性測定装置の特徴~
  3. 粘弾性測定の基礎
    1. 粘弾性測定の概要 ~回転測定と振動測定~
  4. 回転 (静的) 測定の概要
    1. 回転測定の概要
      1. ニュートン流動現象 ~粘度が一定?~
      2. ダイラタント現象 ~粘度が上昇?~
      3. シアシニング現象 ~粘度が下降?~
    2. 回転測定評価例
      1. 肌への塗布感の評価 ~塗り心地が良い・悪い、たれる・たれない~
  5. 振動 (動的) 測定の概要
    1. 振動測定の概要
    2. 様々な化粧品サンプルの評価例
      1. 泡の内部構造評 ~泡立ちと泡切れの良し・悪し~
      2. 長期分散安定性 ~沈降する・しない?分離する・しない?~
  6. その他の評価事例
    1. 髪の毛の湿度変化の評価 ~湿度変化による髪の毛の固さの変化~
    2. 肌の摩擦特性評価 ~クリームを指で塗った際の肌との摩擦~

第2部 化粧品用基剤の経時に対するレオロジー特性・諸物性の変化と保存安定性への応用

(2019年6月11日 14:10〜15:20)

 化粧用基剤として有用される界面活性剤/高級アルコールの分子集合体 (aゲル) のレオロジー特性 (流動曲線、クリープ測定、動的粘弾性) の経時変化、調製方法による諸物性の相違について概説する。  化粧・医薬用クリーム製剤の研究・製造に携わっている技術者に対して、基剤の諸物性、特にレオロジー測定方法や、レオロジー特性に関する知識が習得できる。

  1. はじめに
    1. レオロジーとは
    2. レオロジー測定の有用性
    3. レオロジー測定の基本
  2. 測定に用いた化粧用基剤の特長
    1. カチオン界面活性剤/高級アルコール基剤の特長
    2. 基剤の諸物性に対する調製方法の影響
  3. 化粧用基剤の流動曲線
    1. 周期的剪断
    2. 定常流動
  4. 化粧用基剤のクリープ測定
    1. クループ曲線
    2. 弾性率、粘性率の算出方法
  5. 化粧用基剤の動的粘弾性
    1. 応力 (歪) 依存性
    2. 周波数依存性
  6. 化粧用基剤のレオロジー特性の経時変化
    1. 流動曲線の経時変化
    2. クリープ測定から算出した弾性率、粘性率の経時変化
    3. 動的粘弾性の歪依存性の経時変化
    4. 動的粘弾性の周波数依存性の経時変化
  7. カチオン界面活性剤/高級アルコールのモル比の影響
    1. 形態学的な変化
    2. レオロジー特性との関係
  8. 保存安定性への応用

第3部 レオロジーを用いた口紅のうるおい感触付与とレオロジー的解釈

(2019年6月11日 15:30〜16:30)

 唇は非常に乾燥しやすく敏感な部位であり、口紅において「うるおい性能」は非常に重要な性能である。これまでにも、ケア剤や塗膜の水分閉塞性、塗布ツヤ向上等によるアプローチが行われてきたが、我々は唇をすり合わせた時に口紅の「うるおい感触」を感じるという、唇ならではのアプローチに着目した。また、その「うるおい感触」はレオロジーのFlow curveにおける高せん断速度域の第一法線応力差 (N1) と相関があることが明らかとなった。しかしながら、N1を発現するポリマーは曳糸性を伴うことが多く、曳糸性を低減する必要があった。そこでN1を発現するが曳糸性が低いポリマー (セルロース誘導体) を新たに開発し、口紅製剤へ応用した。曳糸性が異なるポリマーがレオロジー挙動的にどう違うかについても解析したので紹介する。

  1. 口紅のうるおい感
    1. 口紅におけるうるおい性能の重要性
    2. 口紅のうるおい性能向上のこれまでのアプローチ
    3. 口紅特有の感触的アプローチ (うるおい感触とレオロジー)
    4. 曳糸性という課題
    5. 非曳糸性との両立
  2. レオロジーによる解析 (主に2つのポリマーの違いを中心に)
    1. 曳糸性の評価
    2. Flow curve
    3. Dynamic viscoelasticity
    4. Cox-Merz則

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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