第1部 審査当局の視点と評価方法を意識したCTD-Q:規格及び試験方法のまとめ方
~規格設定の妥当性並びに試験方法及び分析法バリデーションの提示方法~
(2019年5月27日 10:30~16:30)
原薬・製剤のCQA (重要品質特性) に基づき、個々の特性解析並びに不純物の項で提示した内容を踏まえて品質管理に不可欠な試験方法と管理基準とを設定することになる。この管理手順について、合成医薬品の例示により解説する。
また、生産管理上必要となる分析法の精度を担保するための分析法バリデーションの結果を申請資料に提示するが、試験計画における容認基準の考え方並びに試験結果を社内基準あるいは申請規格へ適切に反映する必要がある。更に、試験法に含まれる試験条件及びシステム適合性の設定にも関連する。これらにつき、ライフサイクルを見据え、リスクマネージメントの観点から解説する。
講演のねらい
- 品質管理部門だけで「規格及び試験方法」は設定できるか?
- パイロットスケールのデータだけで申請した場合のリスクは?
- 製造実績が少ない場合の規格設定のリスクは?
- なぜ、設定範囲の広い規格は規制当局に受け入れられにくいのか?
- 分析法バリデーションはなぜ必要なのか?
- 試験方法がふさわしいとはどのように説明するのか?
- 分析法バリデーションの判定基準はどのように設定するのか?
- 不純物管理方法における定量限界付近での真度と精度の確認の必要性は?
- 規格及び試験方法
- 規格設定の考え方:リスクを考慮したアプローチ方法
- 標準物質
- 確認試験:プロダクト固有の同定方法の必要性
- 物質量:品質試験の基準にふさわしい操作法とは
- 原薬特有
- 確認試験:標準物質との比較
- 純度試験 (工程由来不純物)
- 微生物学的混入汚染物質:微生物限度試験
- 原薬及び製剤
- 確認試験:標準物質との比較
- 純度試験 (目的物質、目的物質関連物質、目的物質関連不純物)
- 物質量
- 微生物学的混入汚染物質:エンドトキシン試験
- 製剤特有
- システム適合性試験の設定の必要性と留意点
- 分析法バリデーションのまとめ方
- 特異性:システムの性能との関連性
- 直線性:試料溶液及び標準溶液の調製方法、検量線の作成の必要性
- 回帰直線の決定定数とy切片の評価
- 容量反応曲線の関数表示
- 検出限界と定量限界・真度:純度試験の限度規格、システムの感度との関連性
- 精度:バラツキの評価と精度管理、システムの再現性との関連性
- 局方試験での適格性確認
- 規格設定の妥当性と精度管理の必要性
- 規格設定の根拠データとリスクの考え方
- ライフサイクルを見据えた精度管理の必要性
第2部 CTD-Qにおける規制当局の照会事項例と回答例
~国内申請におけるPMDAの要求・視点と海外導入品の留意点~
(2019年5月28日 10:30~14:15)
承認審査を効率的に進めるためには、適切な申請資料の作成、照会事項への対応等がポイントとなる。新医薬品のCMC審査の経験を基に、医療用医薬品の申請資料作成時のポイント、照会事項対応のポイントを説明する。また、PMDAのホームページで公開されている審査報告書を基に、照会事項例及び回答例を紹介する。
- はじめに
- 審査報告書
- 承認申請書作成上の留意点
- CTD作成上の留意点
- 照会事項例及び審査のポイント
- 照会事項の傾向
- 製造方法に関連する照会事項例
- 規格及び試験方法に関連する照会事項例
- 安定性に関連する照会事項例
- 海外導入品に関する照会事項例
- まとめ
第3部 品質試験における記録書類 (生データ・実験ノート・ワークシート・電子データ) の取扱い・まとめ方・保管とデータの信頼性確保
(2019年5月28日 14:30~16:30)
医薬品承認申請に係る書類に関して、その根拠となるデータの信頼性確保のために、各申請資料項目に対するデータの取り扱い、生データの定義について説明する。また、適合性書面調査の最近の傾向について解説する。
医薬品の承認申請に係る根拠資料の取り扱いを基に、信頼性確保を行う上でのポイントと課題を習得できる。
- PMDAによる適合性書面調査
- 実験データの取り扱い
- データの保証
- 実験者と責任者
- 海外データの信頼性保証
- ファイリング
- 後発品等の信頼性保障
- CTD作成における留意点
- 信頼性保証への留意点
- 資料保管への助言
- まとめ