本セミナーでは、次世代通信で求められる半導体材料、高周波対応材料に求められる特性を詳解いたします。
(10:00〜12:30)
次世代携帯電話網IMT-2020の名で一部2019年に開始される5Gは、4G (LTE-Advanced) における通信速度を数十倍にするだけでなく、自動運転支援やロボット制御などを目的とした超高信頼・低遅延通信と、IoT向けの広域センサネットワークLPWA機能を持つ大量マシン型コミュニケーションの2つのサービスを新たに提供する。本講座では、4Gを超える高性能と4Gまでにはなかった多様なサービスを実現するための5Gについて、その技術の特徴と最新動向・将来展望をわかりやすく述べる。 一方、低消費電力、低コストで極めて広範なサービスを提供することで巨大IoT市場を創出するLPWAについては、既に2010年代半ばに実用化されたLoRaやSigfoxなどの独自仕様版と、2019年にサービスが開始されつつあるLTE-M (eMTC) とNB-IoTのLTE版の間で激しい競争が繰り広げられている。LPWAは、5Gではさらに高度化することが計画され、2020年代以降も急速に成長し、市場に浸透することが期待されている。本講座では、LPWAについて、その技術の特徴と最新動向、将来展望をわかりやすく述べる。
(13:10〜15:10)
次世代通信 (5G等) に向けて、通信デバイス=半導体の高速化が求められている。この高速化には、ノイズ対策 (電磁波・誤信号) および高速化対策 (低誘電化、回路短縮) が重要となる。半導体の回路短縮は、接続回路 (例;子基板、再配線) の薄層化を実現するパッケージングの確立が必須となる。今回、次世代通信への対応として、通信デバイスのノイズ対策および高速化対策について解説する。特に、半導体接続回路の薄層化に関するパッケージング技術について、開発状況および課題を詳しく説明する。
(15:20〜17:20)
将来の5G移動体無線・IoTシステムでは、搬送波周波数の高周波帯 (準ミリ波帯・ミリ波帯) への移行とともに、空間多重通信、ビームフォーミング、端末位置推定などの新しい無線技術の導入が検討されている。特に、高速度性と多数端末同時接続性の実現には、無線技術と光技術との融合が鍵になる。講演では、5G/IoTシステムへ向けた無線・光融合デバイスと、要求される材料性能について述べる。また、国際連携共同研究プロジェクトで実施したサッカースタジアムでの5G無線通信実験についても紹介する。