GCP (ガス・カウンタープレッシャー) は数十年前にヨーロッパで開発された技術ですが、当時はその効果は得られずほとんどの導入企業は諦めている現状にあります。
数年前に講師のグループが、安価で性能の優れた新しいGCP装置の開発に成功し、新射出成形法が注目されています。
本セミナーでは、射出成形について基礎から解説し、プラスチックの粘弾性特性とその利用法、残留応力の発生機構についても解説いたします。
プラスチックは室温から200℃程度の範囲で、粘弾性という弾性と粘性の両性質を示す複雑な振る舞いをします。特に熱可塑性樹脂は、この温度範囲で液体から固体へと容易に形態変化をします。このような特性から、複雑な3次元形状の成形品も射出成形法で容易に成形が可能となります。しかしながら、プラスチックの粘弾性特性に起因する残留応力や流動不良に起因するスワルマーク、レインドロップ等々の表面性状不良も発生します。 ここでは、プラスチックの基本特性である粘弾性特性とその利用法、残留応力の発生機構、残留応力や成形不良を低減できる射出成形法として射出発泡+GCP (ガス・カウンタープレッシャー) 成形法、射出中空成形法、射出圧空成形法について説明します。これらの射出成形法は、古くからの成形技術であるが、本セミナ – では、我々の研究グループが開発した新しいGCPを用いた成形法を紹介します。また、これらの成形法は、成形不良の対策のみならず、軽量化といった材料低減も可能とします。