われわれの生活がすべて個人やごく親しい関係者の中で完結しているならば、リーダーという存在は特に必要とされないでしょう。しかしながら、われわれは地域や組織との繋がりをもった途端に、リーダーの存在を意識せざるをえません。今回のセミナーでは、心理学の視点からリーダーシップを考えます。特にリーダーとして発達することがカギであることを中心に論議したいと思います。
- リーダーシップに関するこれまでの主要な心理学的論点
- 特性アプローチ
- リーダーになれる人は (最初から) 決まっているか?
- 行動アプローチ
- 状況適合的アプローチ
- 認知的アプローチ
- リーダーシップは、フォロアーの想像の産物ではないか?
- リーダーシップ研究の新たなアプローチ:発達的アプローチ
- リーダーの発達的変容
- リーダーシップ開発 (leadershipdevelopment) とリーダー発達 (leaderdevelopment)
- リーダー発達でカギとなること
- いつまで経っても「強力」なリーダーであり続けなければならないのか?
発想や行動様式の質的転換
- リーダーの自己概念とリーダーシップ
- 自己概念の3つの水準:個人水準、関係水準、集合水準
- リーダーの自己概念とリーダー行動
- リーダー行動におよぼすリーダーの自己概念の影響
- 組織において的確なリーダーシップを担うには,多水準自己概念の一つの水準ではなく,
- つの水準 (個人的、関係的、集合的自己概念) がともに高くなること
- リーダーの自己概念は変えられるか?
- リーダーの自己覚知 (self – awareness) の喚起
- 従業員の自己覚知を促す企業研修の実施 (実践的研究)
- エビローグ
- 脱線 (derailment) :リーダー発達の失敗
- リーダーシップの質的転換ができず、それまでの自分のやり方に固執するため、
新たな環境で力量を発揮できないでいる状態。
- リーダーとして脱線しないために
- 「一皮むける」経験そして、それでも「変わりたくない」あなたのために
- リーダー発達の研究動向