本セミナーでは、複雑な腐食現象を事例とともに詳しく解説いたします。
そして、腐食試験法、各種材料の事例と対策、腐食防止対策と適用例など、金属腐食に対応するための実用的な知識・技術を解説いたします。
鉄鋼材料をはじめ、金属材料は産業を構成する設備の基本材料である。しかし、それらはしばしば腐食などの損傷を生じ、多大な経済損失を発生させている。国内総生産 (GDP) の4 – 7%前後にもなるといわれている。そこでこれら金属材料を扱う技術者は、まず腐食とは何か、またそれを防食するにはどのような手段と方法があるかをよく理解し、事前に適正な材料の選択を行えるようにする必要がある。 腐食機構の基礎は相当程度解明されてきたが、実際に起こる腐食現象は種々の要因が複雑に絡み合って発生しているため、複雑かつ多くの学問領域と関係している。そのため、対策は困難を極める場合がある。したがって、腐食損傷は後を絶たず、技術者を悩ます問題の一つとなっている。 本講座では、実環境での金属材料の全面腐食、局部腐食、高温での腐食などが起きる仕組みと、これら腐食に対する金属材料の防食並びに腐食防止技術までを具体的な腐食事例を紹介し、わかりやすく解説する。多様な防食技術の特徴および適用例の紹介を通じて、実用に資する知識と技術の基礎が身につけられることを期待する。また現在取り組んでいる課題についての相談も受け付け、解決のヒントが得られるようにしたい。