金属ナノ粒子は、表面効果や体積効果、量子効果により、バルク金属にはない様々な機能物性を有しており、新材料として注目されてきました。金属ナノ粒子は、研究開発がはじめられて30年近く立っていますが、現状ほとんど産業利用されていない状況です。
この金属ナノ粒子の産業応用が進んでいない背景には、材料のハンドリングや、従来のプロセッシング概念と技術の問題、アプリケーションの問題があり、実用化を促進するためには、これらの解決と新しい応用を踏まえたナノ材料設計・ナノ材料プロセッシング設計が必要になります。
本セミナーでは、金属ナノ粒子の歴史と現状の問題を解説し、これらの諸問題を解決するための新しいナノ材料設計コンセプトと設計指針を示すとともに、金属ナノ粒子・金属ナノ材料の産業化に適した新しいプロセッシングと更なる応用展開を実例と共に紹介します。
- 金属ナノ材料の歴史と現状
- 材料のナノサイズ化
- 金属ナノ粒子の特徴と歴史
- 金属ナノ粒子の特徴と近代歴史
- 合成におけるコストと環境負荷
- 液相法・気相法の利点と欠点
- セラミックスナノ粒子との違い
- 金属ナノ粒子の問題と現状
- 液相ナノ粒子の常識・問題点
- 粒子径と合成プロセスファクター
- 低収率、ナノ粒子合成のジレンマ
- 合金化
- 金属ナノ粒子の問題点の解決
- 発想の転換
- 低コスト・高環境性・高スループット合成概念
- 知的財産
- 誰にでも簡単に合成できるプロセスの重要性
- コストと環境負荷を両立する金属ナノ粒子合成法
- 新しい金属源と合成法概念
- 固液合成法概念
- 超音波の利用 (超音波プロセッシング)
- マイクロ波の利用 (マイクロ波プロセッシング)
- 固液系ナノ材料プロセッシングとその特徴
- Agナノ粒子 (貴金属ナノ粒子)
- 合成法
- プリンテッドエレクトロニクスへの応用
- 高濃度合成と焼結
- 金属ナノ粒子担持ナノコンポジット
- 合成法
- 金属ナノ粒子担持金属ナノコンポジット
- 金属ナノ粒子担持ガラスナノコンポジット
- 金属ナノ粒子担持セラミックスナノコンポジット
- 金属ナノ粒子担持ナノコンポジットの焼結・電気的機械的特性
- 極微傾斜機能材料型ナノコンポジット
- 合成法
- 金属ナノ粒子分散極微傾斜機能材料型ナノコンポジット
- 抗菌性・熱機械的特性
- ウェアラブルデバイスへの応用
- 医療・食料・生活品への応用
- Ptナノ粒子 (貴金属ナノ粒子)
- カーボン/ Ptナノ粒子担持コンポジット
- 簡単なカーボンへのPtナノ粒子担持コンポジット合成法
- グラフェン、CNT、カーボン粒子への応用
- Cuナノ粒子 (卑金属ナノ粒子への展開)
- 世界で最も簡便なCuナノ粒子合成法
- 分散剤フリー合成法
- Cuナノ粒子の低温焼結と溶媒の影響
- 金属ナノ粒子の応用技術
- Agナノワイヤー透明導電膜
- Agナノワイヤーの問題点
- 有機前駆体ペイント還元法プロセス
- 有機前駆体ペイント還元法の利点
- 有機前駆体ペイント還元法の安価な製品への応用と将来性
- Gaナノ粒子と酸化ガリウムナノ粒子の合成
- Crナノ粒子を用いたCrメッキ代替技術
- 触媒やプリンテッドエレクトロニクス以外への新しい金属ナノ粒子の応用
- ホールペッチ効果
- 低温で高硬度の焼結膜作成
- 超音波を用いた室温合金合成技術
- 室温で固溶合金合成の化学合成は困難
- Ag-Au固溶合金の室温合成
- 合金ナノ粒子合成技術
- まとめ