触感の知覚メカニズム、特性と定量評価、再現技術

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本セミナーでは、ヒトの触感、質感の知覚原理から測定手法、情報処理技術まで解説いたします。

日時

開催予定

プログラム

第1部 触感の知覚原理と特徴

(2019年4月19日 10:00〜11:30)

 ヒトの触知覚メカニズムは未だ明らかにされていない。ヒトは皮膚を通じて触覚を得るが、ざらざら、つるつるといった感覚を得るまでには、機械受容器や神経、脳内処理に加え、運動や皮膚も関与し、複雑である。本講座では、機械受容器の特性といった基本的に事項から、皮膚や運動の特性について解説し、さらに錯触や技術開発事例を紹介し、触知覚メカニズムの解明や活用に向けた一視点を提供する。

  1. 触知覚の基礎
    1. 機械受容器の特性
    2. 皮膚特性と運動特性
  2. 触知覚メカニズム
    1. 錯触
    2. 凹凸・硬さ・粗さの知覚
    3. 知覚メカニズムに基づく触覚技術

第2部 触覚センサによる手触り感数値化の実現に向けた触覚情報処理基盤技術

(2019年4月19日 12:10〜13:40)

 本講座では、触覚センサ、触覚センシング技術の発展により実現が期待される「手触り感の計測」ならびに関連する触覚センシングの現状について解説します。これまで多くの技術者・研究者によって手触り感の計測が試みられて来ましたが、人間の指先に及ぶ能力をもった触覚センサが存在せず、今なお挑戦的開発が続けられています。  ここでは、手触り感の計測に求められる技術的挑戦課題を解説し、それに向けた触覚センサの現状と先端的な研究の現状等を踏まえながら、「手触り感計測技術」の将来と応用・市場の可能性について講演します。

  1. 触覚センシングと人間の触覚
    1. センシングとセンサの役割
    2. 触覚センサと触覚センシング
    3. 物体認知 (マクロ触覚) と手触り感計測 (マイクロ触覚)
  2. 触覚センサ技術
    1. フレキシブルエレクトロニクス
    2. 半導体MEMS技術
    3. 広域触覚センサの現状
    4. 高密度触覚センサの現状
    5. 「手触り」検知と触覚センサ
    6. 手触り感計測の現状
  3. 触覚センサで物体を探る (マクロ触覚)
    1. マクロ触覚とは何か
    2. マクロ触覚デバイスの事例1 (膜状の連続面型高解像触覚)
    3. マクロ触覚デバイスの事例2 (暖かみを調べる熱触覚)
    4. マクロ触覚デバイスの事例3 (形と滑りを検知する3軸触覚)
  4. 触覚センサで手触り感を得る (マイクロ触覚・ナノ触覚)
    1. マイクロ触覚とは何か
    2. マイクロ触覚デバイスの事例1 (表面手触りの違いを視覚化)
    3. マイクロ触覚デバイスの事例2 (柔軟な布地の性質を測る)
    4. 究極の触覚を目指すナノ触覚技術
  5. 「手触り感計測技術」の将来展望

第3部 質感とその魅力の認知メカニズムと製品開発への応用

(2019年4月19日 13:50〜15:20)

 人間の感性や欲求にまつわる技術の開発においては、最終的なユーザーである人間の心理や精神の科学的理解が必須である.優れた感性技術は常に人間の感覚器や脳の特性に適合しているものである.本講演では、人間の視覚システムが網膜に与えられた映像からどのように表面の質感を知覚し、その価値 – 心地よさや気持ち悪さ – を判断しているか、を豊富なデモや錯視を交えて紹介する。

  1. 人間の視覚情報処理
    1. 視覚システムの基本構成
    2. 脳科学と心理学: 理解したいのは何か
  2. 質感認知の情報処理
    1. 質感の光学と逆光学
    2. 現実世界の認知とヒューリスティクス
    3. 画像統計量の利用とその限界
    4. 質感知覚と材質認知
  3. 質感の情動的評価
    1. 表面情報のアフォーダンス
    2. 表面の情動的価値を決める画像統計量
    3. 画像統計量を利用した質感価値の制御
    4. 潜在的情動処理経

第4部 ワイヤレスの力触覚の伝達技術

(2019年4月19日 15:30〜17:00)

 「Real Haptics (リアルハプティクス) 」とは、人間が創り出す優しく柔軟な動作を遠く離れた場所に伝え、保存し、再現する最先端のロボット技術である。本技術によって、時間や空間を超えて人間の動作情報を活用することが可能となり、従来人手に頼らざるを得なかった手間暇のかかる作業の自動化や、対象物が有する硬度等の物理特性の数値化が実現される。本講演では様々な応用事例と共に、リアルハプティクスが拓く新たな未来社会とそれにともなって創出されるビジネスの可能性についてご紹介します。

  1. 未来現場で活躍するアバターシステム ~Real Avatar・もう一人の自分~
  2. 感覚情報技術の特徴
  3. 力触覚の重要性
  4. 力触覚伝送技術
  5. 動作の記録・編集・再現
  6. 高性能ハプティクス義手
  7. 動作の編集 (高速化・逆再生・縮小)
  8. 遠隔操作
  9. 人類の作業領域の拡張
  10. Internet of Actions
  11. 身体感覚を伝送する双腕ロボット
  12. 応用事例
    • 農業
    • 計測
    • コミュニケーション
    • エンターテインメント
    • 土木
    • 宇宙開発

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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