人工・合成皮革の自動車内装表皮材への応用と触感性向上、評価

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第1部 人工皮革における水系ポリウレタン技術と加工技術

(2019年4月17日 10:00〜12:00)

 現在、人工皮革は、DMF、キシレン、トルエンに溶解される溶剤系ポリウレタンが 多く使用されています。近年、人工皮革に残留する溶剤への安全性をはじめ、 EU REACH規制、中国、台湾など溶剤に対する排出規制といった環境負荷低減など、 環境配慮にむけた取り組みが必須となっております。このような市況変化より、溶剤を 含まない水系ポリウレタンを用いた人工皮革は、アパレル、車、スポーツ業界からも 安全・環境の視点で注目が高まっており、水系ポリウレタンの開発をはじめ、それらを用いた 人工皮革の加工技術に拍車がかかっております。本講座では、安全・環境への取り組みにむけ、 人工皮革に使用される水系ポリウレタンの概要、基礎設計をはじめ、人工皮革加工技術について 紹介いたします。

  1. 水系ポリウレタン概要
    1. 水系ポリウレタンの種類と特長
    2. 水系ポリウレタンの製造方法
    3. ポリイソシアネート、ポリオールによる特性
  2. 人工皮革用水系ポリウレタン
    1. 水系ポリウレタンに求められる性能
    2. 耐久性に関するポリウレタン基礎設計
    3. 柔軟・弾性に関するポリウレタン基礎設計
  3. 人工皮革 水系ポリウレタン含浸加工方法
    1. 不織布含浸加工の概略
    2. 感熱ゲル化、マイグレーション防止
    3. 染色、機能性薬剤
  4. 合成皮革用水系ポリウレタン
    1. 表皮層水系ポリウレタン
    2. 接着層水系ポリウレタン
    3. トップ層水系ポリウレタン
  5. 今後の課題・展望
    1. 人工皮革 水系ポリウレタンの課題
    2. さらなる環境・安全にむけて
  6. おわりに

第2部 自動車内装表皮材のトレンドと製造技術

(2019年4月17日 12:45〜14:15)

 自動車シート用ウレタンレザーが急速に増加している。米国カリフォルニア州ではZEV (Zero Emission Vehicle) プログラム、EUではCO2排出量規制、中国でも深刻な大気汚染対策のため内燃機関からの脱却 (EV化) が進められている。今後はPHEV、EV、FC (Fuel Cell – 燃料電池:水素発電) が増加する。自動車内装材も燃費に寄与するため軽量化が重要な観点となっている。ウレタンレザーは高強度のため薄肉化が可能で、軟質塩ビや本革の約半分の重量で規格をクリアーする。  高級車は本革が主流であったが中国での需要急増により供給不足になっている。また米国では アニマルフリー化の風潮が強くなり、EVのテスラーモータースも本革からウレタンレザーに代えている。日本ではファブリック (海外ではテキスタイルと表現) が主流であったが高級感 (海外では本革が好まれる) に欠けるため、シートメインは意匠性の高いファブリック (蒸れ対策兼ねる) で、サイドは合成皮革や人工皮革を用いるコンビネーションが増加している。またウレタンレザーは高級感・シートとの一体感を出すためにインパネ材やドアトリム材にも採用されている。  家具、衣料、シューズ用分野では加水分解するエステル系ウレタンレザーが使用されているが、自動車並の耐加水分解性が要求されている。シリコーンレザーやポリエステルエラストマー (TPEE) レザーも登場しているので紹介する。

  1. ウレタンレザー (合成皮革:スキン層付き、人工皮革:スエード) の動向 (サンプル回覧予定)
  2. 自動車シート用ウレタンレザー
    1. 合成皮革 (スキン層付き)
      1. 溶剤タイプコーティング法 – ハイソリッドタイプによる工程削減
      2. 水性タイプコーティング法 – 発泡層の形成方法
      3. ホットメルトコーティング法 – 発泡層の形成方法
    2. 人工皮革 (スキン層無し:スェード) – 環境に優しいマイクロファイバー
  3. 自動車インパネ・ドアトリム材用ウレタンレザー
    1. パウダースラッシュ成形用ウレタンビーズ
    2. スプレー成形用液状ウレタン
    3. 注型成形用反応型ウレタン (PURIM)
    4. ウレタンレザー貼り込み
  4. 非ウレタン系レザー
    1. シリコーンレザー (サンプル回覧予定)
    2. ポリエステルレザー (サンプル回覧予定)
  5. 家具・衣料・シューズ用ウレタンレザー

第3部 人工・合成皮革・PVCレザーにおける触感表現とその数値化

(2019年4月17日 14:30〜17:00)

  1. 人工皮革,合成皮革, PVCレザーの違い
    1. 人工皮革とその表面仕上げ方法
    2. 合成皮革とその表面仕上げ方法
    3. PVCレザーとPVCレザーの表面仕上げ方法
  2. 皮革表面における高触感表現数値化の検討1
    1. 実験
      1. 試料調製
      2. 電子顕微鏡観察
      3. 圧縮特性
      4. 組成分析
      5. 摩擦特性
      6. 触感評価
    2. 結果及び考察
      1. 試料表面の樹脂組成
      2. 表面摩擦特性
      3. 触感評価
  3. 皮革表面における高触感表現数値化の検討2
    1. 実験
      1. 試料調製
      2. 年齢別触感評価
      3. 表面摩擦特性
      4. 接触角測定および表面自由エネルギー算出
    2. 結果及び考察
      1. 年齢別触感評価
      2. 表面摩擦特性
      3. 接触角
  4. まとめ

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