本講座は医科学領域の医療情報担当者や学術担当者を対象にEBM (evidence-based medicine:証拠に基づいた医学) に欠かせない統計的な考え方の修得を目的としている。医学論文やそれに関する学術資料を理解し説明するには2つの事が必要である。1つにはそのテーマについての知識であり、もう一つが医学研究への理解である。この医学研究の理解には統計学の素養がなければならない。本講座では2日間に渡り、医学統計の基礎から検定と推定の応用、医学論文でよく用いられるの統計手法の読み方と説明ポイントを例題と図解を中心に解説する。
第1日目
- 医学統計の基礎
- データの尺度と定量検査と定性検査、
- 母集団と標本の関係とデータの収集方法
- パラメトリック法とノンパラメトリック法
- 代表値とばらつき
- 分散の加法性
- 標準偏差と標準誤差
- ヒストグラムの作成にあたり注意すること
- 箱ひげ図と得られる統計量
- 分布に関する知識
- 代表的な正規分布とt分布
- 正規化の手段
- 尖度と歪度と判定
- 標準偏差指数の利用
- 外れ値の扱い判定方法
- S-G棄却
- Dixon棄却
- 関連の指標
- 2種類の相関係数の用途
- 寄与率と相関係数の違い
- 因果関係など
- 回帰分析の利用するにあたり注意すること、残差分析
- 分布に関する知識
- 正規分布
- t分布
- 正規化
- 尖度と歪度
- 標準偏差指数
第2日目
- 検定と推定の基礎
- 仮説検定の原理、パラメトリック法とノンパラメトリック法の選択
- 代表値とばらつきに関する検定と推定と信頼区間
- 一元配置分散分析と多重比較
- 分割表に関する検定
- 独立性の検定
- 適合度の検定
- 基準範囲
- ROC分析
- その他の解析