(2019年4月17日 10:00〜12:00)
様々な素材のにおいは、多くのにおい成分から構成されている (複合臭) 。どのような成分から構成されているかは、現在、GC – MS分析技術の進歩によってかなり容易に知ることができる。しかし、含有成分のうちのどの成分が素材の香気に重要な寄与をしているのかを決めることは、容易ではない。それは,複雑なにおい受容メカニズムのためである。実際の香気素材の香気特性を解明するためには,においの元である有機分子についての基礎知識とにおい受容メカニズムについての理解が必要である。これらについて解説したのち,におい受容メカニズム考慮した視点からの複合臭の解析手法について,最新の研究成果を交えて説明する。
(2019年4月17日 12:45〜14:15)
繊維製品では肌着、靴下など、汗の臭いなど消臭機能が付与されたさまざまな製品が上市されており、またより快適な生活空間を求めて、トイレ、靴、玄関、お部屋や自動車などで使用されるさまざまな形態の消臭関連製品が販売されております。 昨今では価値観の多様化に伴い需要が高まってきており、消臭に対するニーズは今後も拡大していくことと思われます。しかしながら、実際にこのような製品を使用するとどれくらい効果があるのか、消臭性能を数値化・評価し明確にすることは、訴求力をもつ製品を上市させるためには不可欠であり、そしてなにより消費者が安心して製品を使用する上でなくてはならないプロセスであると考えられます。 本講座では、このような消臭関連製品の消臭性能をどのように評価するのか、試験規格とそれぞれの評価試験について紹介いたします。さらに今回は、試験に用いられる悪臭サンプルの臭気をワークショップにて実際に体験していただきます。悪臭物質を体感することで、商品企画や商品開発のお役に立てればと思います。
(2019年4月17日 14:30〜17:00)
製品開発や品質管理に有用な官能評価手法と機器分析手法の長所、短所を明らかにし、目的に応じた使い道を説明する。特に、製品の特性を定量的に測ることができるQDA法に焦点をあて、パネル選抜、用語開発の手順を述べる。また、官能評価を補完するための分析手法として、センサーアレイから分離分析技術までを取り上げ、その中でも複合的なにおい成分のフィンガープリント解析の流れと、官能評価との相関づけを行なうプロセスを明確にする。