本セミナーは、フィラーの表面処理の理論と実際から解説し、窒化物フィラーの分散・表面改質技術とコンポジット材料の熱伝導率向上・設計・評価について詳解いたします。
フィラーはポリマーと複合化し、ポリマーの特性を大きく向上させたり、新たな機能を付与するために用いる無機・有機化合物であり球状、板状、繊維状の多様な形状で、数十μm~数nmの幅広いサイズで、かつ多様な化合物が利用されています。 所望のフィラー充塡コンポジットを得るためには、フィラーそのものの十分な理解と選択が必要となるほか、ポリマーの種類に合わせた分散性の均質化や複合界面の設計のためのフィラー表面処理、ポリマーとの混合・混練技術といった多岐にわたる知見が必要となります。これらの一連の技術により要求特性に合致したフィラー充塡コンポジットが実用化されていますが、経験則で検討が進められる側面もありその理解を難しく感じられる方もいると思います。 本講座では、この分野で40年近く研究開発に携わっている経験に基づいて、上記の技術を俯瞰し系統的に理論づけした内容を解説します。また、実務に活用頂けるよう各技術の実際やノウハウ・ポイントも押さえて解説します。 現在開発競争にしのぎを削っているナノコンポジット、カーボンコンポジット、高熱伝導性コンポジットなどの研究開発にはこれら技術の理解がなければ、ブレークスルーが出来ないと考えています。現在、取り組まれている課題解決の一助になればとの思いで講演します。