(10:30~12:30)
医薬品を構成している資材類の多くは「外部の製造業者から購入」している関係から、「これらの品質」は業者に委ねることになっているのが実情で、このためには『規格・取決めの充実と定期監査の実施』は必須な要件である。一方、包装工程は人・もの・設備との組合せを合理的・効率的に正確に実施することが要求されるものの、前記表示資材との組合せが適正でないことから、最新の建屋・設備を有していてもチョコ停等の慢性的な事象や不良が何十年も継続しているのも事実である。これらのことから、供給者管理ならびに自社設備側の対応で改善を得た一端を、事例を交えながら紹介したい。
(13:15〜14:45)
PTPは医薬品包装の分類では「内袋」に相当します。錠剤やカプセルなどの医薬品包装において、製品保護性、衛生性、識別性、開封性、携帯性、改ざん防止といった優れた機能と使いやすさ、そしてトータルコストの観点から、最も優れた包装形態といえます。1960年頃に西ドイツで開発され、間もなく日本国内に普及したPTPは半世紀以上の間、ほぼその姿を変えず、いまだこれにとって代わる包装形態は出現していません。
本講義では、PTPの基礎知識とその機能と諸課題への対応、及びそれらの将来展望を解説します。
最も日本で普及されている包装形態であるPTPについて、最新の業界現状をふまえた観点から求められる特性・機能や課題対応を学んでいただきます。
(15:00〜16:30)
臨床現場で発生する三大事故 (医薬品、転倒・転落、ドレーン・チューブ類) の中で、医薬品が関係する医療事故は増加傾向にあり、内容も複雑化しています。また、三大事故のうち医薬品の事故は医療者の過失感が高く、他の2つの事故に比べて社会的なインパクトは非常に大きいものとなります。ヒトはエラーを完全に撲滅することはできないが、医療事故を容認することもできません。このような状況の中では、医薬品は使用者にとって使いやすく、見やすいことが要求されています。 本講座では臨床現場からみた医薬品のデザインへの要望について、実例を用いながら解説します。 医療事故に関するデータや制度を整理しつつ、実際の製品を例に医療現場からの医薬品デザインへの要望を伝達します。